PETボトル500mL入り。オープン価格(参考小売価格400円)。液体タイプなので計量しやすい。酵素は熱を加えるとその働きが弱くなるため、非加熱製法で作られている(画像クリックで拡大)

 ここ数年、肉や魚のうまみが増す“魔法の調味料”として人気の塩こうじ。食材を漬け込むだけでなく、直接塗ったりまぶしたりと、汎用性のある使い方ができ、一気にブームとなったのは記憶に新しい。塩こうじはペースト状のタイプが一般的だが、液体タイプが登場して大きな反響を集めている。ハナマルキ(長野県伊那市)が2012年10月1日に発売した「液体塩こうじ」だ。発売約1カ月で売り上げは40万本を突破。年間販売目標に対して約1.3倍のペースで動いているという。

 同社はもともと、ペースト状の塩こうじを販売しており、他社商品に比べ、酵素の力が約2倍という点が好評を得ていた。肉や魚などのたんぱく質を分解し、うまみ成分であるアミノ酸に変える働きのある酵素が、塩こうじの魅力といえる部分。このペーストタイプの人気を受け、第2弾となる塩こうじ製品の企画が持ち上がり、同商品の開発に至ったという。

 「従来のペーストタイプには、『こうじの粒や、発酵食品特有のにおいが苦手』といった消費者からの意見があり、それならばこうじの粒をなくせないかと考えました。同じ発酵食品の醤油を作る際にもろみを圧搾するように、塩こうじに圧力をかけて、ぎゅっと搾って液体にしたら使いやすいのではと思いついたのです」とR&Dセンター商品開発室の川本生大氏は語る。

 しかし、それまで液体タイプの塩こうじが市場になかったため、開発は手探り状態だったという。塩こうじを搾るというアイデアが生まれたものの、どういう装置を使えばいいのかなど、設備を整えるのも一苦労。さまざまな試行錯誤の末に完成した同商品は、従来の塩こうじと同様の使い方ができるのはもちろん、みりんやしょうゆの代替品としても使用できる。また、金色がかった澄んだ色をしているため、“漬け”などに使っても色がつかず、素材そのままの色や質感を生かせるという。さらに、こうじの粒がないことで発酵食品特有のにおいも軽減できた。

 同商品は長時間熟成させているため、甘みや塩分が主張しすぎず、まろやかな味わい。素材の持ち味を生かす、控えめな調味料と言えるだろう。「この商品ひとつで、煮物やお鍋の味付けのほか、刺身に付けるしょうゆ替わりに使うのもおすすめ」と川本氏が語るように、アイデア次第で使い方がどんどん広がっていきそうだ。

(文/廣野順子=Office Ti+)