「クァック」(Sサイズ1680円、Mサイズ1890円、Lサイズ2100円)(画像クリックで拡大)

 アヒルのくちばしのような形をした口輪「クァック」が人気を呼んでいる。柔らかいシリコーン素材で出来ていて、優しく犬のマズル(鼻口部分)を包み込む商品だ。この口輪はデザインがユニークだが、無駄吠えや拾い食いをさせにくくする効果がある。舌が出る程度の余裕を持って設計しており、食べ物は食べられないが水は飲める。鼻先に圧迫感がないので、愛犬にも安心して着けられる。口輪は見た目に「かわいそう」というイメージになりやすいが、アヒル口のデザインなので犬を飼わない人も気の毒とは思わないだろう。

 この商品を発売しているのは生活用品メーカーのテラモト(大阪市)。2012年11月に「オッポ」という新ブランドを設立、ペット用品に進出したばかりだ。第1弾となる3製品(口輪「クァック」、猫用ベッド「キャットシェル」、抜け毛掃除具「ケトリ」)は、11月15日の発売を前に、ネット限定で9月から試験販売を開始。このうち圧倒的に売れたのがクァック。ツイッターやブログなどを通してクチコミで評判が広がっており、試験販売の2カ月あまりで約800個も売れた。見た目のインパクトに加え、機能性も評判がいい。海外のサイトでも紹介され、米国をはじめ各国からも問い合わせや注文が来ている。

 同社開発部の渡部良太氏によると、飼い主の多くは口輪の役割を正しく理解していないため、つけたがらないという。その現状を改善しようと考え、クァックの開発をスタートした。公共の施設を利用するときやトリミングの現場、散歩中の拾い食い抑制など、口輪を着用したほうが犬にも人間にもいいと思われるシーンは多い。しかし日本では口輪へのマイナスイメージばかりで、「着けなければいけない状況」と「着けたくないという意識」のジレンマに悩んでいる人がいる。

 そこで「口輪本来の目的を知ってもらい、ペットオーナーの方々が『これなら着けたい』と思うような口輪を目指した」(渡部氏)という。「着けたい」という気持ちにするためにはどうしたらいいかと考え、アヒルのくちばしの形に行きついた。しかしおもちゃのようなチープな印象にならず、かつ機能を守りながら、アヒルっぽさを出すのは予想以上に難しく、500案以上のデザインを考えた。

 渡部氏は実際にデスクの周りに塩化ビニル製のアヒルのおもちゃを並べたり、パソコンのデスクトップの画面をアヒルの画像にしたりした。アヒルを夢に見るほど常にアヒルが視界に入る環境で試行錯誤し、現在の形にたどりついた。鮮やかな黄色にもこだわりぬいたという。苦慮したのはサイズ決め。犬は品種や個体差によってかなり大きさが違う。どこまで対応できるかの線引きが難しかったが、地道にデータをとりながら調整を繰り返した。

 購入者からは「普通の口輪ならつけているとかわいそうな気もするけど、これはそんなこともなく、気に入っている」「見た目もかわいくて、付けている姿はアヒルのコスプレみたい」といった、デザインを評価する感想が多い。そのほか「食事前に騒ぐのでこれを着けてみると、鳴き声も小さくなり、じっとお座りで待つようになった」「クァックを2分位着けた後は、見せるだけで吠えるのを止めるようになった」など、しつけ効果についても評価が高い。適応犬種の目安は、Sサイズがチワワ、トイプードル、ポメラニアンなど、Mサイズがミニチュアダックスフンド、ミニチュアピンシャーなど、Lサイズがジャックラッセル、ボーダーコリーなど。ただしこれはあくまでも目安であり、個体差により目安の犬種でも着けられない場合があるとのこと。

 ちなみにブランド名の「オッポ」は、動物にとってさまざまな気持ちを伝えるコミュニケーションツールである「尾っぽ」に由来する。人間の体にも尾っぽの名残があることから、“動物と人間との共通性を象徴するもの”という思いもこめられている。ネット通販で販売中で、全国の専門ペットショップ、専門量販店へも販路を 広げる予定だ。

(文/桑原恵美子)