埼玉県熊谷市に「NEWLAND」という新しい施設が登場した。東京からはちょっと距離がある場所だが、信頼できる仕事をしているPR会社、デイリープレスがプランニングもかかわったというだけに興味津々。取材に行ってきた。

その土地に根ざしたライフスタイル

 訪れたのは、まだ残暑が厳しい頃の土曜日だった。日本一気温が高いといわれるように、さぞや暑い土地なのだろうと覚悟して出かけた。「NEWLAND(以下、ニューランド)」は、駅からクルマで10分、15分ほどの場所。中学校や病院がある幹線道路の裏手の、どちらかというと目立たない場所にある。

 リリースに付されている写真を見たときは、郊外に出現したかっこいい施設で、周囲から良くも悪くも目立っている建てものを想像して行ったのだが、予想と違い、地味な雰囲気で周囲になじんだ場が広がっている。スケールも写真より大きく、奥行きが広そうな施設だ。取材が楽しみになってきた。

広大な倉庫の中に、可愛らしいショップが並ぶ
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 迎えてくれたのは、デッセンス代表取締役の山本和豊さん。熊谷で生まれ育ち、ショップのインテリアデザインなどを手がける会社を率いている。趣味でサーフィンをやっているそうで、浅黒さが精悍な雰囲気を際出せているのが印象的。36歳という若さながら、「ニューランド」の意図するところについて、熊谷について、日本の地方が抱える課題について、気骨あふれる熱い話を語ってくれた。

 家具職人だったお父さんが手作りしてくれた家具に囲まれて育った山本さんは、土木を学び、最初は建築会社の営業職に就いたという。その後、20代初めに独立してインテリアデザインの会社を立ち上げた。デザインに大きな関心を抱くようになって、海外を巡って歩きながらショップデザインなどを手がけるようになっていった。

 「30歳くらいの時に、『ニューランド』的なものを作ろうと思った」。生まれ育った熊谷は、東京、長野、新潟、茨城など、近県からは、クルマで1時間前後の距離にあり、人口が約20万人。農業、商業、工業がバランス良く発達している。

 郊外の道路沿いに大きなショッピングセンターをはじめ、家電やファッションなどのチェーン店が顔を並べ、かつての商店街が空洞化していっている。他の地方都市が抱えている課題と共通したものを抱えている。山本さんは、「本来、その土地に根ざしたライフスタイルがあったはずなのに、同質化してきている。そういう“平均化”は、自分たちが求めているものではないと感じた」という。

「Restaourants」は、有機野菜と炭火焼を中心にした居心地のいい空間だ
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