SASスクリーニング検査用機器を装着した様子。検査費用は4800円(JAF会員優待価格。一般は5000円)。ほかに検査機器往復送料、代引き手数料などが別途必要となる(画像クリックで拡大)

 睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる病気「睡眠時無呼吸症候群」(sleep apnea syndrome、以下SAS)は、潜在的な患者が国内で200万人以上いるといわれている。しかし睡眠中の脳波を調べる検査は病院で1泊2日になるため、「自分もそうではないか」と疑っていても放置している人が多いのが現状だ。そんなSASの簡易検査が自宅でできるサービスが登場、予想を上回る申し込みが殺到している。JAF(日本自動車連盟)が7月14日に会員向けに開始した「SASスクリーニング検査」だ。

 申し込みが多い日は1日に50件以上、開始日から9月30日までの2カ月半で約700件に達した。申し込み件数を300~400件程度と見込み、検査機器を400台増やしていたJAFは、「反響の大きさに驚いている。会員のコア世代が40代後半から50代となっており、健康を意識する世代とマッチングしたため、申し込みが多かったのでは」(JAF事業推進本部)とみている。「今までになかったサービスなので、潜在的な需要の掘り起こしができたと思う」(同)とのことだ。

 SASは日中、強い眠気におそわれる場合があり、運転中に重大な交通事故を引き起こす危険性がある。JAFでは今まで全日本トラック協会を中心に、トラック運転手やセールスドライバーを対象に事業所でのSASスクリーニング検査を実施していた。しかし個人を対象としてSAS検査をする大きな機関がなかったことから、まずは約1730万人いるJAF会員を対象に啓発を進めることが必要だと考えた。そこで交通関係の事業者や団体を対象に検査を実施していた運輸・交通SAS対策支援センターに協力を依頼。JAF会員が個人で申し込み、自宅で簡単に検査できるサービスを始めた。また同日から、運輸・交通SAS対策支援センターでも個人からの申し込みが可能になった。

 SASスクリーニング検査は、自宅に送られてきた検査機器を寝る前に装着し、指先のセンサーで睡眠中の動脈血の酸素量をモニタリングするだけ。終了後、検査機器や問診票等など返送すれば、結果データを専門医が分析して約1カ月で診断結果が届く。結果が「要検査判定」だった場合は、医師による紹介状も同封される。「運輸・交通SAS対策支援センター」または「JAFナビ」のサイトから申し込める(JAFナビの場合はJAF会員番号によるログインが必要)。

 実施後、運輸・交通SAS対策支援センターには利用者から「夫が寝ているときに息が止まっていることがあり、不安だった」「検査には入院が必要だったので敬遠していたが、自宅で検査ができてよかった」などの声が寄せられている。

(文/桑原恵美子)