「どや文具ペンケース」7980円。カーキ、ネイビー、ワインレッドの3色展開。同社オンラインショップのほか、有楽町ロフト、東京ソラマチ、大阪のデルタジムサービス、STYLE DEE、ワキ文具、ナガサワ文具センターなど全国の有名文具店で販売中(画像クリックで拡大)

 文房具好きな人たちのアイデアを結集した究極の筆箱「どや文具ペンケース」が話題となっている。販売元のBeahouse(京都市)の阿部ダイキ氏によると、2011年9月、関西の文具好きな人たち(メーンは約10人)が軽いノリからTwitter上で開発会議をスタート。やがて本格的な意見交換へと発展し、2012年6月に「カーキ」と「ネイビー」の2色が商品化された。発売後は販売サイトへのアクセス数が2000倍に急増し、7980円とペンケースにしては高額にもかかわらず、初回生産分400個は1カ月半で完売。その後ユーザーの強い要望を受けて9月1日に新色「ワインレッド」が発売されたばかりだ。

 特徴は、筆記具を収納するボックス部分と筆記具を広げて使えるトレー部分からなる新しいデザインにある。「ゴムを外して本体を広げ、トレー状の部分にすべての筆記具を並べられるので検索性が高く、必要な筆記具をすぐに手に取れます。また、作業終了時にはトレーを持ち上げてボックスに筆記具を一気に流しこみ、クルクルと巻いてゴムで留めるだけ。すべての購入者が誰にも“どや顔”で自慢できるようなアイテムを目指して多様な意見を取り入れた結果、これまでにない形にたどりつきました。開発過程のすべてのログをリアルタイムでオープンにした商品はあまりないと思います」と阿部氏。ファスナーが付いたペンケースにありがちな、「消しゴムやのりなどを入れると閉まらない」「ぎゅうぎゅうに詰めてしまい欲しいアイテムがすぐに取り出せない」といった煩わしさから解放されるのが画期的だ。

 縦の長さは通常のペンより長めの筆ペンを入れることを想定。またメーンのボックス部分は500mLの缶がすっぽりと収まる大容量となっており、筆記具はもちろん、パソコンのACアダプターやコード、電卓、定規、カッター、のり、マスキングテープなどさまざまな立体的なアイテムを収納できる。両脇にはボタンで留める2つのサブポケットがあり、シャープペンシルの芯やUSBメモリーのほか領収書などの小さな書類も、きちんと分けて入れておけるのも便利だ。さらに、ペンケースはとがった筆記用具や定規などで破れたり汚れたりと消耗が激しいため、長く使えることを重視。耐久性の高い栃木レザーと国産の帆布を使用し、職人の手作りで仕上げている。

 主な購買層は20代後半から30代、40代がメーンで男女比は半々。教員や学生、秘書、事務職員など文具を日常的に使う人たちやライフハックを追求するビジネスパーソンが多いという。3色目となる新色「ワインレッド」の開発の際も40種類の色見本をTwitter上で公開し、意見を集めて決定した。既存のカーキやネイビーに比べ、女性向けに考えていたが、実際は男性も5割ほど購入という意外な結果となっているとか。

 「うれしかったのは、東京の文具好きの集いに出席したとき、著名なブロガーや文具メーカーの商品開発部の方にまでこのプロジェクトが知られていたこと。同じ文房具好きといっても、万年筆にこだわる人や、安価でもいろいろ持っていたいタイプ、デザインより機能性重視などそのこだわりは千差万別であり、“文房具は人を表す”と言えると思いますね」と阿部氏。ビジネスパーソンにとって、文房具はクライアントとのコミュニケーションにおけるキャッチーな糸口にもなるツールの1つ。あなたもこのペンケースをさっと広げて“どや顔”を決めてみては?

(文/池田明子=フリーエージェント)