既存の施設を活用しつつ、開発の遅れていたロンドン東部地域の発展を目指すなど、都市型五輪の新たな形態として注目を集めたロンドン五輪。競技でも陸上競技のスーパースター、ジャマイカのウサイン・ボルトが2大会連続の3冠達成に成功したのをはじめとして、注目すべきトピックスが満載の大会だった。

 一方でアスリートのパフォーマンスを支えるシューズをはじめとしたギアに関しても、各ブランドは独自のテクノロジーやマーケティング戦略で凌ぎを削っていた。今回は特に「ナイキ」と「アディダス」という2大スポーツブランドのロンドン五輪におけるプロダクト戦略およびマーケティング戦略にスポットを当ててみる。

 今大会で最も注目を集めたのはジャマイカのスプリンター、ウサイン・ボルトで間違いないだろう。陸上競技の100メートル、200メートル、そして4×100メートルリレーの3冠を北京五輪に続いて達成するという史上初の快挙を成し遂げた。

 しかしながら、もうひとつの「ボルト」の活躍があったことをご存じだろうか。ここでいうボルトとは、ウサイン・ボルトの「BOLT」ではなく、ナイキが契約アスリートの多くに提供したシューズのカラーリング「VOLT」。視認性に優れた蛍光カラーで、以前の記事でも紹介した「ナイキ フライニット レーサー」を筆頭に、「ナイキ ルナスパイダー R3」「ナイキ ルナレーサー」「ナイキ ズームストリーク 4」といったさまざまなモデルで展開した。結果、陸上トラック、マラソンコースをはじめとした競技会場で圧倒的に目立つ存在となり、ナイキのブランドアピールに大きく貢献したのだ。

VOLTカラーは「ナイキ フライニット レーサー」を筆頭に、「ナイキ ズーム スーパーフライ R4」や「ナイキ ズーム マックスキャット 3」のようなスパイクシューズにも採用された
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“VOLTカラー”に占拠されていた男子1500m予選
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