サンバーンなどの急性反応と、皮膚の腫瘍やシミ、しわなどの慢性反応

 では、紫外線の皮膚に与える影響とはなんでしょうか。これは、急性反応と慢性反応の2つに大きく分けるとわかりやすいと思います。

 まず急性反応は日光曝露後数時間後~数日後に出現するもので、サンバーン(紅斑反応、日光皮膚炎:いわゆる日焼け)、サンタン(黒色色素沈着)、免疫能低下などがあげられます。一方、慢性反応は日光の反復照射により数カ月~数十年後に出現するもので、皮膚の腫瘍の発生、しみ、しわなどの光老化による皮膚障害があげられます。

 いずれも、皮膚の表皮細胞の遺伝子DNAがUVBやUVAを吸収して、障害を受けることが主な原因となります。遺伝子の中でも紫外線により障害を受けやすい部位があり、その障害によりさまざまな生理化学物質が誘導され、炎症反応やメラニン生成活性亢進により急性反応としてサンバーンやサンタンが発症します。

 もともと人体にはこの紫外線による遺伝子の障害を修復する機能が備わっていますが、慢性的に何度も紫外線を浴びているうちに遺伝子の損傷が蓄積されて、メラニン生成と吸収のバランスの破綻によるしみの出現や、悪性、良性を含めた皮膚の腫瘍が発生します。

活性酸素を発生させてしわを誘発も!

 また紫外線は、DNA損傷以外に、直接的に細胞質や細胞膜に作用して真皮内の線維芽細胞を刺激したり、活性酸素を発生させもします。これにより、皮膚のハリや弾力性を担っているコラーゲン、弾性線維を切断する酵素を生成することで、しわが誘発されます。これらの慢性的な紫外線による皮膚の退行現象を光老化と言いますが、もともと皮膚は加齢による生理的な退行変性もあり、これに光老化が重なって、年齢を重ねるにつれ皮膚は衰えていくことになります。

 以上のことを考えると、「日焼け」は紫外線によるDNAの破壊が起こっている状態であり、一過性には修復機能が働いているためそれほど問題にはなりません。しかし、DNAの損傷と紫外線による皮膚の細胞の障害は確実に起こっており、その蓄積により光老化が進み、しみ、しわや皮膚癌の発生につながることになります。

 ちなみに、最近はあまり流行っていないようですが、日焼けサロンの紫外線も皮膚に対する影響は同様です。屋外で生活している限り、紫外線を完全に遮断することは不可能です。よって、この紫外線をいかにして防御するかということが重要になってきます。