人間誰しも美しく生活したいと思っている。それは見た目だけじゃない。中身から美しくということだ。
 それはクルマも同じである。今どきクルマを実用性だけで買う人はいない。だったらトラックやバンでいい。そうではなく、乗る人の身体はもちろん、時には頭や心まで気持ち良くしてくれるから買うのである。それはスタイリングであり、走りであり、質感であり、ブランド性であり、知的興奮を誘うエピソードである。クルマはある意味、五感で味わうプロダクトだ。だから楽しくも難しいのである。
 というわけでこの“ビューティフルカー”では私、小沢が美しさや知的エピソードを中心にクルマを語っていこうと思う。

【コンセプト】みんな“シーマ”を待っていた!

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 「シーマ、スゴいっすね……」

 何度言われたことだろう。久々に復活した新型シーマで、趣味の社会人サッカー大会に行ったときのことだ。同じ40代のバブル世代はもちろん、30代の“弱クルマ離れ世代”にすら、「俺たちが高校生ぐらいのころ、メチャクチャ流行ってたんですよね……」と懐かしい目をされた。いまどきミニバンだらけのサッカー場の駐車場ということもあるが、そのネームバリューの高さに久々に驚かされたのだ。

 日産「シーマ」はいわゆる1つのバブル期アイドルである。1988年に初代モデルが登場するやいなや、クジラみたいな威圧感のロングボディーと、独自のどっかんターボにより、アクセルベタ踏みでお尻がグッと下がる、いかにも“オラオラ、そこどけ!”と言った感じの走りで名を馳せた。

2012年4月25日、新型「シーマ」を5月21日より全国一斉に発売することが発表された。発表会にて登壇した西川 副社長(左)と片桐 副社長(右)
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