日本最大の本のイベント「東京国際ブックフェア」が7月5日から開催されたのと前後して、電子書籍に関する大きな発表が相次いだ。なかなか離陸しないと言われて久しい電子書籍ビジネスだが、今度こそ離陸の兆しは見られるようになったのだろうか。

専用端末が7980円、楽天が「Kobo」の電子書籍事業を開始

 電子書籍に関する発表やイベントが相次いだなか、最も注目されたのは楽天が日本で、子会社の「Kobo」による電子書籍事業を7月19日から開始すると発表したことだろう。

 Koboは電子書籍事業を手掛けるカナダの企業で、今年の1月に楽天が買収し、子会社化した。Koboはすでに欧米など190カ国で電子書籍事業を展開しているが、今回日本でも、Koboのプラットフォームを活用して電子書籍事業を手掛けることとなったわけだ。

 日本でのサービスの主体は、「koboブックストア」と「kobo Touch」になるようだ。koboブックストアは、日本語の書籍が3万冊、日本語以外も含めると240万冊の書籍が楽しめる書店だ。楽天のIDを使用して書籍を購入できる、楽天スーパーポイントの付与や利用があるなど、楽天のサービスと連携できるのが、他の書店サイトと異なる大きなポイントだ。

 koboブックストアで購入した書籍を読むリーダーが「kobo Touch」である。これは、目に優しい電子ペーパーを採用した、タッチ操作が可能な6インチのモノクロディスプレイの電子書籍専用の端末。バッテリー駆動も1カ月と非常に長く、重量も185gと軽い。

 ソフト面では、米国の電子書籍の標準化団体の一つ「国際電子出版フォーラム」が促進する電子書籍の最新規格「EPUB 3.0」に対応することでグローバル性をうたっているほか、定評のあるモリサワのフォントを採用。Facebookに自分が読んでいる本のジャンルや読書時間などを記録する「Reading Life」や、条件を満たすことでバッジが手に入り、それをFacebookで公開できるサービスなど、ソーシャル関連の機能が充実しているのも特徴となっている。

 だが何より、kobo Touchの最大の特徴は価格だ。専用端末で1~2万円、タブレットであればそれ以上はするのが一般的だが、kobo Touchは7980円と、かなり挑戦的な値付けをしているのだ。端末価格を安くすることで、一気にユーザーを増やしたいという、楽天の狙いを見て取れる。

楽天の子会社が提供する「koboブックストア」は、楽天スーパーポイントの利用が可能など楽天との連携がなされるのがポイント。日本語の書籍は当初3万程度になるという
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koboブックストアで購入した書籍を読む専用の端末「kobo Touch」。タッチ操作が可能なモノクロディスプレイを採用し、価格も7980円と安価に抑えている
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