Q3 ステロイドが怖いというのは本当? 副作用とは?

 そもそもステロイド(steroid)とは何でしょうか。

 現在、さまざまな疾患の治療に用いられる薬として知られています。

 そして、その疾患によって、種類や使い方が違い、内服、注射、塗布剤、吸入剤、鼻噴霧用剤、点眼剤・眼軟膏など、いろいろな形の製剤があります。

 なぜ多くの人は、ステロイドが怖い、と思っているのでしょうか?

ステロイドも内服薬と外用薬では副作用がまったく違う

 怖いと思う要因は、ステロイドの内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)では副作用がまったく違う、ということを理解していないことにあるでしょう。つまり、ステロイドとはどういう薬かをしっかり理解しておけば、ステロイドの効果を理解することができるのです。

 ではどんな副作用があるのか。

 ステロイド内服薬の副作用としては、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症、緑内障、白内障、感染症にかかりやすくなるなどが挙げられます。内服すると全身に効くので、全身的な副作用が多く見られます。また、内服の場合は中止したらそれらがすべて治る訳ではないのも、厄介なところです。

ステロイド外用薬は赤いところではなくザラザラしたところに塗る

 内服薬に比べ、ステロイド外用薬で、最も気をつけるべき副作用は「軟膏を塗った皮膚がうすくなる(皮膚萎縮)」ことです。ステロイドを塗りすぎると(正常の皮膚になったのに塗り続けると)、皮膚がうすくなり、下の血管が透けて見え、赤くみえます。

 だからこそステロイド外用薬は「赤い」ところに塗るのではなく、「ザラザラしたところ」に塗るのです。ザラザラがツルツルになったら、塗るのはおしまい。そうでないと、塗りすぎて皮膚がうすくなってしまいます。赤いところに塗ると覚えてしまうと、副作用で赤くなったところにまで塗ってしまう危険性があります。もし、これまで、赤いところに塗ると思っていた人は、今日から「ザラザラしたところに塗る」と覚え直してくださいね。

ニキビやヘルペスなど感染症の悪化

 また、ステロイド外用薬の副作用で、皮膚萎縮に比べると軽症ながらときどきあるのがニキビ。乾燥がとれて、皮膚がしっとりしてきたからこそできるのですが(湿疹がよくなってきた証拠でもあります)、ニキビの部位にステロイドを塗ると悪化しますので、これも覚えておく必要があるでしょう。

 もう1つ、外用薬で覚えておきたい副作用が、「ヘルペスなどの感染症も悪化する」ということ。ニキビ部位だけでなく、ヘルペスなどの部位も避けて塗ると覚えておいてください。湿疹か、ヘルペスやにきびか判断がつかないときは、皮膚科医に相談して、見分け方のコツを習うといいですね。

外用剤は注意して使えば、副作用を出さずに使うことができる

 さて、こうやってステロイド内服薬と外用薬の副作用を挙げてみましたが、大きな違いに気づかれたでしょうか?

 そう、外用薬の場合は、副作用を出さないようにするやり方があるということ。そして、内服薬の場合は全身的に効くため、副作用も全身的ですが、外用剤の場合、副作用は「塗った場所だけ」に生じるということ。

 つまり、外用剤は注意して使えば、副作用を出さずに使うことができるのです。

 「塗った場所にしか効かない」外用薬ならではの特徴でもありますが、もし、副作用が出てしまった場合も、気付いた時点ですぐに外用を中止すれば、そこから副作用も治まっていきます。万が一、皮膚が薄くなってしまっても(きちんと皮膚を触って塗り分けていれば、本来そのようなことはないはずですが)、外用を中止すれば皮膚はまた厚みが戻ってきます。

 よってアトピー性皮膚炎の治療では、内服薬はラクですが副作用のリスクが高すぎるので使用せず、ステロイド外用としています。