人間誰しも美しく生活したいと思っている。それは見た目だけじゃない。中身から美しくということだ。
 それはクルマも同じである。今どきクルマを実用性だけで買う人はいない。だったらトラックやバンでいい。そうではなく、乗る人の身体はもちろん、時には頭や心まで気持ち良くしてくれるから買うのである。それはスタイリングであり、走りであり、質感であり、ブランド性であり、知的興奮を誘うエピソードである。クルマはある意味、五感で味わうプロダクトだ。だから楽しくも難しいのである。
 というわけでこの“ビューティフルカー”では私、小沢が美しさや知的エピソードを中心にクルマを語っていこうと思う。

【コンセプト】秋頃、日本上陸! 欧州価格は1万ユーロ以下から

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 実は今、日本メーカーが密かに戦々恐々としているクルマがある。ドイツ、いやヨーロッパ最強最大の自動車メーカー、フォルクスワーゲンが作る新世代コンパクトの「up!」だ。

 日本でも昨年15年連続でベストセラー輸入車に輝いた王者「ゴルフ」や、その下の「ポロ」よりもさらに小さいNSF(ニュー・スモール・ファミリー)で、カンタンに言っちゃうと欧州版の軽自動車みたいなもの。

 厳密に比べるとボディーサイズは微妙にデカい。全長3540×全幅1641×全高1478mmで、全長3400×全幅1480mmの軽枠より長くて、けっこう幅広い。エンジンも新作のシンプルな直列3気筒とはいえ、排気量は1Lと660ccの軽よりかなり大きい。

 だが、そこではない。問題は価格とクオリティーだ。一番安価な3ドアのベーシックグレード「take up!」が、9850ユーロ、つまり1万ユーロ以下で買えるのだ。為替にもよるが100万円ちょいだ。もちろんこれは5MT車で、日本には装備豊富な状態で入ってくるため、実売価格は150万円は超えるだろう。しかし、イマドキ総額150万円を超える軽はあるし、少なくとも200万円ちょいのポロを大幅に下回り、歴代VW車では最低価格になるに違いない。

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