「Chemistry Quest ケミストリークエスト」1500円。分子の組み合わせをまとめたヒントシートも付属しており、まったく化学が分からない人でも楽しめる(画像クリックで拡大)

 化学の法則を利用したユニークな対戦型カードゲーム「Chemistry Quest ケミストリークエスト」が、今人気を博している。酸素、水素、窒素、炭素の4種類の原子を模した計48枚のカードを使用。対戦相手と自分の山札から3枚ずつカードを場に出し、それを使って、水や二酸化炭素などの分子を交互に作っていく……というのが基本的なルール。作った分子に使われたカードの枚数がそのまま点数となるため、できるだけ原子数が多い分子を作るのが勝利のコツだ。

 開発元はケミストリー・クエスト(神奈川県相模原市)。社長の米山維斗君は、なんと小学生というから驚きだ。

 「学校の友人が自分でカードゲームを作っているのを見て、自分でも何か作ろうと思った」というのがゲーム開発のきっかけ。その際、もともと興味を持っていた化学の知識から、このゲームを思いついたという。

 最初は自分たちだけで楽しんでいたというが、父親の勧めから仕事で付き合いのあった学校教材などを扱うリバネス(東京都新宿区)に企画を持ち込み、商品化の運びとなった。その際、リバネス側からの提案もあって、米山君も会社を設立。開発者兼「社長」となった。普段は学校に通いつつ、宣伝・広報などの活動を行っているという。

 「商品化にあたっては、子供だけではなく、大人も楽しめるように心がけました」(米山君)。特にこだわったのはデザイン。カードにキャラクターなどを描くのではなく、シンプルな原子モデルを採用。大人同士でも使いやすい形に仕上げた。

 発売日は2011年9月。その後、発売から1カ月で初版1000個を売り上げ、10月には2000個を販売した。人気を受け、12月からは幻冬舎エデュケーション(東京都渋谷区)と共同で全国の書店などに展開。12月までに8000個を販売し、2月にはさらに5000個増刷されるなど、順調に売れ行きを伸ばしている。

 今後は、同ゲームをスマートフォンで楽しめる“アプリ版 ケミストリークエスト”も開発予定。さらに、素粒子をモデルにしたゲームも考案中だという。小学生社長から、次はどんなアイデアが飛び出すのか。今後も目が離せそうにない。

(文/森石 豊=Office Ti+)