「カレー」といえば鍋で煮込む手作りのものではなく、まずレトルトカレーを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。発売から50年以上経ち、簡単に食べられる食事として浸透したレトルトカレー。しかし、その食習慣を変えるかもしれない画期的な商品が2月21日に江崎グリコから地域限定で発売された。フリーズドライ製法の「カレーポット」だ。

「カレーポット」(262円)。味はビーフカレー<中辛>、インド風チキンカレー<中辛>の2種類。当面は関東、甲信越、静岡県限定で販売
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 「レトルトカレーは保存性に優れ、調理も簡単。しかし、その形態は50年以上変わっていない。“ポストレトルトカレー”はできないかと思い続けてきた」。そう熱く語るのは、レトルトカレー全般のマーケティングを担当する、マーケティング部担当課長の村上和義氏だ。

「調理時間30秒」が目標

 開発にあたってかかげたのが、「調理時間は30秒」という目標だった。レトルトカレーの調理は簡便だが、湯を沸かし、湯煎に約3分かかる。この時間を劇的に短くできれば勝機があると考えたのだ。結果、フリーズドライ製法という選択肢が出てきた。これならば、湯をかけるだけですぐにカレーが出来上がる。

江崎グリコ マーケティング部担当課長の村上和義氏

 ただし、フリーズドライのカレーはこのカレーポットが初めてではない。09年にフリーズドライ食品大手の天野実業が「瞬間美食」シリーズを発売済みだった。この商品に対し、カレーポットは2つの点で差別化を図っている。

 一つは、発泡スチロール製のカップが付属している点だ。示された線まで湯を注ぐだけでよく、計量カップなどで量る手間を省ける。瞬間美食は「150mlの熱湯を注ぐ」と指示されているだけ。たしかにカレーポットのほうが親切だ。もう一つはとろみ。とろみを付けるには通常、小麦粉が用いられるが、これでは湯をかけても元に戻らないため、新技術を開発。「特許出願中のため詳しく話せないが、野菜の繊維を使っている」(村上氏)という。

付属のカップにフリーズドライの塊を入れ、容器の線まで熱湯を注ぐ
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スプーンで30秒間かき混ぜると完成。とろみもついている
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具材は少なめ。「まずは王道のビーフカレーとチキンカレーで普及を狙う」(村上氏)という
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