本体価格7900円。現像したフィルムを手回しで壁面などに投影できる「LomoKinoscope」(写真奥)とのセットは9800円(画像クリックで拡大)

 最近は携帯電話でも高画質な動画が長時間撮影できるようになったが、時代に逆行するようなフィルムを使ったカメラ「LomoKino」(ロモキノ)が注目を集めている。このカメラは35mmフィルムを使い、36枚撮り用で約144コマ、約30秒分のムービー撮影が可能だ。

 LomoKinoはオーストリアのウィーンに本社があるLomographic Society Internationalの商品。同社は「Lomography」(ロモグラフィー)というブランド名でフィルムのカメラを展開しており、LomoKinoはムービー撮影に対応させたモデルだ。

 同社では商品を企画する際に“何十年も前に実存したカメラに新機能を加えて現世に蘇らせる”というコンセプトを念頭に置いているという。国内販売会社であるロモジャパン(東京都世田谷区)代表取締役の北川卓司氏は「LomoKinoはトーマス・エジソンが1800年代に発明した初期のアナログムービーカメラを意識して製作しています。ただ、その当時はカメラが大きく、とても持ち歩けるサイズのものではありませんでした。現代とは違い、特殊効果とは無縁で、撮り手一人ひとりの創造力が大切だった頃への原点回帰を投影した商品です」と話す。

 同社の商品はレトロな外観から雑貨店に並ぶこともあり、20代前後に売れてきたが、この商品は8mmカメラで昔撮影していた人にも好評だという。撮影に使用する35mmフィルムが8mmフィルムと比べて入手しやすく、現像費用が安価なのもその理由のようだ。同社が運営する現像サービス「LomoLab」を利用した場合、フィルムの現像と、パソコンで再生可能なデータ(MP4形式の動画と1コマごとの静止画)に変換してCD-Rに記録する、という内容で1本あたり1470円となっている。3本から10本程度をまとめて依頼する人が多いという。

 2011年11月3日に同社の直営店と直販サイトを中心に販売したところ、1カ月で500台を販売。2月からは販路拡大も積極的に行い、月1200台の販売を目標としている。

(文/北本祐子)