今なぜインドでP&Gが

1枚刃(single-blade)の「ジレットガード(Gillette Guard)」。P&Gのファクトシートより
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 いまインドのカミソリの市場で、ジレットの新製品「ジレットガード」が大ヒットしています。ジレットは米国を本社とする総合消費財メーカーP&G社のブランドですが、その開発陣がインドの農村に住みこんで得た発想を元に開発しました。ヒットのツボは従来の2枚刃を1枚刃にしたところにあるようです。インドの農村では、ヒゲを剃るのに水が自由に使えないこと。そしてそんな環境からか毎日ヒゲを剃るわけではないので、みな結構伸びてからヒゲを剃ること。これらの観察が「2枚刃⇒1枚刃」のイノベーション(?)を生んだというわけです。

 ユーザーと一緒に暮らして同じ目線で気がついたところを商品に反映させるというのは、花王やホンダなど日本のメーカーの得意技だったハズです。ところがいまアジアでは、P&G、ユニリーバ、リーバイスなど欧米のメーカーが本腰を入れて現地社会に入り込み、人々にあった商品を開発し提供しようと躍起になっています。P&GのGlobal Consumer and Market Knowledge Officer(グローバル コンシューマー アンド マーケット ノリッジ)のJoan Lewis(ジョアン・ルイス)氏は、「わが社はアジアの各商品分野ですでに相当の実績を残してはいるが、まだまだより一層成長できる余地は大きい」と語っています。

 思えば、自動車とエレクトロニクスを中心に「made in JAPAN(メイド・イン・ジャパン)」が欧米市場を席巻してから20数年が経ちます。その熱気は、国内のバブルの崩壊とほぼ時を同じくしてすっかり冷めて、失われた10年はもはや20年を超えました。いまや、同じ市場ではサムスン、ヒュンデ(ヒュンダイ)などの韓国ブランドがわがもの顔に闊歩していて、「メイド・イン・ジャパン」には再爆発の兆しすらありません。

1枚刃(single-blade)の「ジレットガード(Gillette Guard)」。P&Gのファクトシートより
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