17型液晶搭載のテスラ「MODEL S」

テスラ・MODEL S。写真のレッドは記念モデル(MODEL S SIGNATURE)の限定色となる
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 「MODEL S」は、米テスラの開発したEVの最新モデル。年内のデリバリーに向け、米国ではすでに予約を受け付けている。米国当局からの補助金(7500ドル)を加味した価格は、最も安いモデルで4万9900ドル、現在の円相場では何と約383万円。3タイプのバッテリー(航続可能距離はそれぞれ約257km、370km、483km)を用意しており、最も安価なモデルでも257kmの航続距離を確保している。記念モデル(MODEL S SIGNATURE)は879ドル(約675万円)からと高価ながら、すでに予約受け付け終了となるほどの人気ぶりだ。

 日本に比べるとエコの意識が低いとも思われる米国だが、EVがこれだけの話題、人気を集めるのはなぜなのか。もちろん燃料代の高騰も原因の一つだが、「米国では『エコ=かっこいい』のイメージが定着していることが大きな理由だろう」(米国のIT系ジャーナリスト)。

 その証左は、テスラ・MODEL Sの商品設計に見て取れる。デザインを担当したフランツ・フォン・ホルツハウゼン氏は、マツダの北米デザインセンターでディレクターを務めていた著名デザイナー。8色のボディーカラー(標準モデルの場合)、グラスルーフやスポーツタイヤなど豊富なオプションが用意されているのも特徴だ。

 テスラの「かっこよさ」はデザイン面だけにとどまらない。運転席に乗り込むとまず圧倒されるのが、ダッシュボードの大半を占める液晶画面だ。

エアコンのスイッチ類も兼ねているため、運転席脇のスペースはほぼすべてが液晶画面で占められている
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画面は分割表示が可能。複数の機能を一度に表示できる
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Google Mapを利用したナビ画面。標準モデルでは一部の機能はオプション扱い
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 もちろんフルタッチ操作が可能で、エアコンの操作や電池残量の確認、後方カメラの映像確認、ナビ画面の表示・操作などすべてをこの画面で操作する。17型のスクリーンにGoogle マップの衛星写真を表示する様は圧巻の一言だ。ハンドル奥の計器類もすべて液晶画面による表示で、これらの処理にエヌビディア製のCPU「Tegra」シリーズが使われている。

 日本メーカー各社のEVは、非常時の給電機能など生活の道具としての便利さに訴求ポイントを移しつつあるが、一方でテスラが最も強調するのは「ドライビング・エクスペリエンス」。車体の最適な重量配分、スポーツカー並みをうたう敏捷性なども売りにして、ドライブする楽しさを前面に出している。日米市場の違いを見極める意味でも、MODEL Sは自動車業界にとって、そして家電業界にとって非常に重要な存在といえるだろう。

(文/有我 武紘=日経トレンディ)