“アプリ内課金”でビジネス改善の兆し

 こうしたことから、「スマートフォンのアプリは儲からない」と長く言われてきたが、その状況にも改善の兆しが見えつつある。きっかけは“アプリ内課金”だ。

 これはアプリの中でアイテムやプラグインなどを販売し、それに対して、料金を支払ってもらうものだ。ソーシャルゲームなどで注目されている“アイテム課金”の仕組みが、スマートフォンのアプリ内で実現できると考えれば分かりやすいだろうか。AppStore、Androidマーケット共に当初はこの仕組みが存在しなかったが、後から導入されたことで、アプリによるビジネスの幅が大きく広がることとなったのである。

 アプリ内課金の活用が広まってきたことにより、“超薄利多売”のダウンロード課金と、広告による収益以外にビジネス拡大の手段がなかったスマートフォンアプリにおいて、ようやく効率よく収益を得られる形ができつつある。

 その傾向は、iPhone向けAppStoreの「トップセールス」から見ることができる。執筆時点において、ここには芸能人を活用したCM展開で知られる「GREE」のゲームが多くランクインしているのだが、GREEはスマートフォンで月当たり20億コイン、つまり20億円の売り上げを上げるタイトルが生まれていると公表している。スマートフォンでかなりの売り上げを上げていると見ることができよう。

 また、「iTunes Rewind 2011」のトップセールス部門において、3位を獲得した「カイブツクロニクル」などを提供するアドウェイズという企業は、3本のスマートフォン向けゲームとアプリ内課金により、7~9月のアプリ売上合計が4億7500万円に達していると公表している。こうした傾向から、アプリ内課金によって、いくつかの企業がスマートフォンでも高い収益を得られるようになってきたことが理解できる。

「GREE Platform」の記者発表におけるプレゼン資料より。同社のゲームがAppStoreの「トップセールス」に多くランクインし、高い収益を上げるようになったという
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