――唐池社長は以前から「セレブ列車構想」を話しているが、これは実現に向かっているか。

唐池社長:欧州を走るオリエント急行のような、ぜいたくな列車の旅を提供したいという思いは変わらない。すでに具体的な検討を始めており、今は沿線の宿などに協力を要請している段階。2012年からは予約を受け付ける予定だ。

 このプランは、「九州一周豪華列車」や「クルーズトレイン」と呼ばれているが、いずれも正式名称ではない。しかし、構想としては車内に寝台個室やレストランを備え、途中の駅で列車を降りて観光したり、高級旅館に宿泊したりもできるようにする計画だ。九州を1周する全行程で3泊4日程度を考えている。2013年からの運行開始を目指したい。

2013年から運行を開始する予定の「JR九州版オリエント急行」のイメージ。博多から由布院(大分)を巡り、鹿児島へ行くルートなどを検討している。デザインは世界的な鉄道デザイナーの水戸岡鋭治氏が手掛ける
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――九州の観光振興策として、最近急激に増えている中国人観光客をどう取り込むかという視点も欠かせない。

唐池社長:もちろん、アジアからの観光客の誘致には九州一丸となって取り組みたい。アジアから日本に来る観光客のアンケートによると、来日の目的は(1)料理、(2)ショッピング、(3)温泉、(4)自然や風景、(5)歴史、文化という順番。現在は、東京(銀座や渋谷、秋葉原など)でショッピングをして、京都で歴史や文化に触れ、伊豆、箱根辺りで富士山の風景を眺めつつ温泉に入るといったコースが、日本観光のゴールデンルートになっている。

 しかし、これらアジア人観光客が求める要素は、九州の各地域にもある。そればかりか、現在のゴールデンルートよりも、コンパクトに満足できる日程が提案できる。九州のそれぞれの県、地域だけではすべてを満たすことはできないが、力を出し合うことによって、「九州」をアピールできればと思う。

(インタビュー/牛島 千絵美、構成/勝俣 哲生=日経トレンディ)

 日経トレンディ2011年12月号では、唐池氏以外にも計20人の「2012年ニッポンを変える人」に話を聞いた。また「2012年ヒット予測ランキング」として、2012年にかけて売れる商品、盛り上がるトレンドを完全予測している。

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