スマートフォンの競争が激化する昨今、AndroidやiOSなど、キャリア各社が扱うプラットフォームにも変化の兆しが見られる。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの主要携帯電話3社がどのようなプラットフォーム戦略をとるようになったのか、振り返ってみよう。

“選択の自由”へと舵を切ったKDDI

 主要3社の中で、プラットフォーム戦略が最も大きく変化しているのがKDDIである。これまでKDDIは、Androidの採用を前面に打ち出し、「Android au」というキャッチフレーズで大々的な広告展開をしてきた。だが、今年8月に、マイクロソフトのWindows Phone 7.5を採用した「IS12T」を発売し、Android以外のプラットフォームも扱うようになってきた。

 そして10月にはアップルのiOS5を搭載した「iPhone 4S」を発売した。これと時を同じくして、「Android au」から「選べる、未来。」へと、キャッチフレーズも変更している。auはAndroidのプラットフォームに注力する方針から一転して、iOSやWindows Phoneなど、複数のプラットフォームを同時に提供し、ユーザーに選んでもらうという戦略へと舵を切っているのだ。

 このような戦略にシフトした要因は、KDDIがスマートフォン市場で劣勢にあったことが大きいと考えられる。スマートフォンへのシフトは極めて急速に起きたことから、参入に最も慎重な姿勢を示していたKDDIは、市場の変化に対応するのに時間がかかってしまった。それを短期間で解消するべく、採用するプラットフォームを多様化してユーザーの間口を広げる戦略に打って出たといえよう。

 特定のプラットフォームに集中しない姿勢は、iPhone 4Sへの取り組みからも見ることができる。同社のiPhone 4Sは、通信方式による仕様面の差は別として、例えばパケット定額オプションなどを見ても、ソフトバンクモバイルと比べると高いまま。対抗値下げをする様子は見られない。ソフトバンクモバイルと比べると、iPhoneへの注力が弱いように見える。しかし、それはKDDIにとって、ユーザーが「iPhoneも選べる」ということが、重要な意味を持つと考えているがゆえ、といえるだろう。

KDDIの2012年3月期第2四半期決算説明会資料より。iPhone 4Sの提供をはじめとして、“選べる”ことを強調するようになった
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