東京・有楽町のビックカメラ有楽町店が、1階フロアの大規模なリニューアルを行った。

 10月まで1階にあった薄型テレビやBDレコーダーのコーナーが2階に移動し、代わりにiPodやウォークマンなどのオーディオ製品のコーナーが1階に移った。さらに1階にあったスマートフォン、携帯電話売り場を拡張し、スマートフォン用アクセサリーの品ぞろえを拡充した。これまでフロアの半分以上を占めていた大型製品(=薄型テレビ)は1階から姿を消すことになった。

 当然のことながら、量販店の売り場づくりは市場環境の変化に敏感だ。

 スマートフォンは量販店にとって今や稼ぎ頭の筆頭。アップルの「iPhone 4S」は依然として予約販売の状況が続く人気ぶりがそれを証明している。

 これに対して、薄型テレビやBDレコーダーは2011年7月のアナログ停波以降、完全に動きが止まっている。「お祭り」とも表現された異常ともいえる需要が一段落した格好だ。

 ビックカメラ有楽町店にとって、1階は最も集客がしやすいフロアであり、ここに一番売れる商品を展示することになる。最も売り場面積が狭い2階に薄型テレビが移動したことは、まさに市場環境の変化を象徴するものだといっていいだろう。

 この傾向は数字でも明らかだ。

 全国の主要量販店などのPOSデータを集計するBCNによると、携帯電話におけるスマートフォンの構成比は7割を占め、昨年来、販売台数は右肩上がりで増加している。

 それに伴って、スマートフォン用のフィルムやケースなどのアクセサリーの売れ行きも増加傾向にある。粗利率の高いこれらの製品の販売増は、量販店にとっては歓迎したい傾向といえる。

 それに対して、薄型テレビの販売数量は激減している。

 薄型テレビの販売台数は10月実績で71.6%減。販売金額では80.8%減と大きく減少。前年同月はエコポイント制度を利用した買い換えが促進され、220.3%増と大幅な伸びを見せていたのとは対照的な結果だ。

 さらに前年11月にはエコポイント制度変更前の駆け込み需要により、前年同月比5倍増という売れ行きを記録。その反動で今年11月の薄型テレビ販売は、「前年同月比で80~90%減に落ち込むだろう」(BCN・道越一郎アナリスト)と予測されている。つまり、前年同月の1割しか売れない状況にまで落ち込むと見られているのだ。

 BCNでは年末商戦を通じても、薄型テレビの販売台数は前年同期比60~70%減で推移すると予測している。これは、2009年の実績をやや下回る水準だという。

 ちなみにBDレコーダーも10月は販売台数で31.5%減と今年7月までの勢いはなくなっている。

ビックカメラ有楽町店の1階(10月)。テレビ売り場が半分を占めていたが、今は2階に移り、代わりにスマートフォン売り場が広がり、アクセサリーなどを豊富にとりそろえた
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