――今後、マーケティングはどのように展開しますか。

河野:やはり、まずは家電量販店さんやゲームショップさんを中心とした展開ですね。ただし、それは“ディストリビューション”という考え方ではありません。お客様との正常なタッチポイントをどう設けられるかをすごく考えています。11月半ばからは、福岡、札幌、名古屋、大阪、東京の5都市でPS Vitaの大規模な体験会を開催する予定です。ショップさんに絡んでもらう体験会も随時行なっていきます。そして、通常の広告をどうPS Vitaらしくするか、PS3とPS Vitaをどうタイトルでつないでプロモーションするか……その辺りは現在仕込み中ですね。

――今後は、従来のPSP-3000からPS Vitaに完全シフトしていく体制になるのでしょうか。

河野:それは考えていません。UMDで提供されているソフト資産も大変、充実していますし、ハードとしても現在のPSP-3000はまだまだ性能もいいですし、(ビジネスとして)値頃感も出せる。低年齢層やライトなお客様にはまだまだニーズがあります。開発者の皆さんにも、両方を視野に入れて、ソフトを作っていただきたいと思っています。

 それを考えると、PS Vitaの最初のお客様は高校生以上、PS3のメーン層である20代半ばから30代となるのではという予想です。それ以下のユーザー層……特に小学生までPS Vitaが広がるには、正直、時間がかかると思いますね。PS Vitaは、PS3との親和性の高さを持って展開していくことになるでしょう。

「勇者のきろく(仮)」(SCE/ダウンロード版価格未定/12月17日発売予定) プレイヤーのスケジュールやタスクを他ユーザーと共有しながらゲーム感覚で達成する、新感覚のタスクメモアプリ。位置情報サービスなども利用する (C)Sony Computer Entertainment Inc.
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――ではUMDで提供されているPSPタイトルを、PS Vita向けにアーカイブする予定は。

河野:それも現在、検証中です。タイトルによっては実現できないものも出てくると思います。既にUMDで持っているタイトルをPS Vita向けに買い直すお客様がいらっしゃることを思うと、販売価格もフルプライス払っていただくのはどうだろう、という考え方もあります。少しプロモーショナルな展開が必要ではないかと社内で議論しています。

※編集部注:UMD版を持っているとダウンロード版が安く買える「UMD Passport 」が11月11日に発表された。

――PS Vitaは今後どう広がると考えていますか。

河野:まずは“ゲーム”を充実させること。それ以上の広がりは、いろいろトライしながらやっていくことになるでしょう。私たちが今、予想できていない新しいビジネスがPS Vitaから生まれる可能性は大きい。我々も、それを積極的にアドオンしていきたいですね。

(文/阿部 美香)