今年は携帯電話・モバイルに関する大きなニュースが相次いでいるが、またしても大きなニュースが飛び込んできた。去る10月28日、ソニーとエリクソンの合弁会社「ソニー・エリクソン」が、合弁を解消しソニーの子会社になると発表されたのだ。一体なぜ、合弁解消に至ったのだろうか。その背景と今後について、考察してみたい。

ソニー・エリクソンが生まれた背景

 合弁解消に触れる前に、そもそもソニー・エリクソンとは、どのような背景から生まれた会社なのかについて触れておこう。同社は、その名前の通り、家電メーカーのソニーと、スウェーデンの通信機器メーカー大手、エリクソンの携帯電話部門を統合し、2001年に誕生した合弁会社だ。本社はイギリスにある。

 当時ソニーは、家電・AV機器でのブランドや技術を携帯電話に生かせるという強みはあったものの、携帯電話メーカーとしては後発で、シェアも小さかった。一方、エリクソンは通信技術に強みを持ち、携帯電話メーカーとして当時世界3位の地位にあったものの、通話・通信以外の機能やデザインなど、携帯電話に求められる要素の変化に対応するという面で課題があった。そこで両者の弱みをカバーし合い、強みを生かすことによって、携帯電話事業を強化しようと、合弁に至った。

 その後、ソニー・エリクソンは、「Walkman Phone」「Cyber-Shot Phone」など、ソニーの技術やブランド力を生かした端末を多く投入した。携帯電話の高機能化を進める戦略をとることで、人気とブランド力を確保していった。だが、近年の金融危機に加え、特に海外では携帯電話の低価格化が急速に進んだことから、赤字を計上するなど、最近は、不調が伝えられる機会が増えていた。

 こうしたことから、同社初のAndroidスマートフォン「Xperia X10」(日本ではNTTドコモの「SO-01B」に当たる)を投入以降、携帯電話部門を縮小し、スマートフォンへの集中へ舵を切っていた。最近では、ゲーム機能にフォーカスした「Xperia Play」(日本ではNTTドコモの「SO-01D」)や、小型化を追求した「Xperia mini」(日本ではイー・モバイルが「Sony Ericsson mini S51SE」として提供)など、バリエーションを増やしてAndroidスマートフォンの強化を図っていたのだ。

ソニー・エリクソンは王道の高機能モデルだけでなく、手のひらに乗る超小型スマートフォン「Sony Ericsson mini S51SE」や、ゲームに特化した「Xperia Play SO-01D」など、さまざまなバリエーションのスマートフォンを投入している
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