「365日 Charming Everyday Things」というプロジェクトが立ち上がった。これは、日本の良いモノを、国内外に向けて広めていこうという活動だ。経済産業省クール・ジャパン戦略推進事業の一環として、クリエーターたちによる独自のプロジェクトチームが遂行していく。

作った人の手の温度を、もっと親密に使い手へ伝えたい

 このプロジェクトの基点には、精巧な職人技や工場の技術を盛り込んだモノが、日本には数多く存在しているのに、それが使い手に知られていない。送り手と使い手が一つに結ばれていないがために、多くのビジネスチャンスが失われている、という思いがある。

 一方で、日本の各地において、中国をはじめとする低コスト生産国との競争力を問われた結果、モノ作りの現場が疲弊している事例に事欠かない。もっと日本らしさを活かし、価値を上げる方向でモノを作って市場に送り出す――そのためには、日本のモノ作りが持っている本来の価値を、流通や消費者に向けて、きちんと伝えることが重要という意図から「365日 Charming Everyday Things(以下、365日)」はスタートした。

 このプロジェクトはまず、2012年1月、日本の良いモノを集めて、パリでB to B及びB to Cの展示・販売会を行う。その後、日本にもどってきて、一般消費者向けの販売会を開く予定だ。パリはもとより、日本国内でも、たくさんの人の目に触れて、手に取ってもらいたいという意図からだ。買って使うことで、モノの良さははじめて伝わっていく。「作った人の手の温度を、もっと親密に使い手へ伝えたい」という考えが、その背景にはある。

プロジェクトは日本のモノ作りが持っている本来の価値を伝えようとの意図から始まった

 この手のプロジェクトは、過去から現在まで、数多く行われており、経産省でも、それらの多くをサポートしてきた。「365日」はどこに違いがあるのか――日本全国にわたる地場産業の良さを伝えたいという思いは、他プロジェクトと軌を一にする。ただ、「日本人の暮らしに寄りそう日用品。日常の良さや多様性を、もっと国内外の人に知ってほしい」というのが特徴の一つ。飾って鑑賞を楽しむような1点ものの美術工芸品でもなく、取り澄ましたようなモダンなプロダクトを集めるわけでもない。あくまで、日本人が普通に使う日用品を主体として、数多くのモノをそろえて発信しようとしている。

 服飾雑貨、食器、台所道具、文房具、家具など、暮らしを取り巻くあらゆるモノをピックアップ――まさに、日本人のライフスタイルを取り巻くモノの集合体が「365日」と言える。