成長著しいソーシャルゲーム市場。9月に開催された東京ゲームショウ2011では、グリーが大きなブースを初出展したことで話題を呼んだ。大手ゲームメーカーも積極的に取り組みだしたソーシャルゲーム開発。今後ソーシャルゲーム市場はどう変化していくのか。ソーシャルゲーム各社や大手ゲームメーカーへの取材を通して3回にわたって探る。

ゲーム運営ノウハウを武器に海外展開も!

 ディー・エヌ・エーとグリーがソーシャルゲームの“スマートフォンシフト”をにらんだ事業拡大を加速している。これまで両社は携帯電話(フィーチャーフォン)向けのゲームで利用者を増やしてきた。ただ国内でもスマートフォンに乗り換える人が急速に増えており、事業拡大には“従来型”の事業にとどまらない“次の一手”が重要になっている。スマートフォン向けの展開を急ピッチで進める一方で、ここに来て目立っているのは海外での事業展開を探る動きだ。国内でソーシャルゲーム運営のノウハウを蓄積してきた両社にとって、モバイル向けソーシャルゲーム市場の拡大が見込まれる海外市場は大きな魅力だ。

 「Mobage(モバゲー)」を運営するディー・エヌ・エーは7月から、英語圏6カ国(米国、カナダ、英国、アイルランド、ニュージーランド、オーストラリア)と中国でMobageの提供を開始。スマートフォン向けソーシャルゲームアプリを開発・提供する米国ngmoco社をはじめとしたソーシャルゲーム開発会社を買収するなどしており、海外の現地法人は設立予定のものを含めて10カ所以上に上る。

 「GREE」を運営するグリーも9月、韓国、シンガポール、英国、オランダ、ブラジルの5カ国での子会社設立を発表。それに先駆けて2011年1月には北米子会社GREE Internationalを設立しているほか、中国でもグリー Beijingの設立を進めるなどしている。中国Hoolai Gameと手を組み、中国で大ヒット中の「Hoolai三国」をiOS、Android向けアプリ提供することも発表している。

GREEは、9月に開催された東京ゲームショウでも最大規模のブースを構えた
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 両社の狙いは、これまで国内の携帯電話向けに提供してきたソーシャルゲームを海外向けにも提供して利用者を増やすこと。ソーシャルゲームはSNSなどで提供され、他のユーザーとコミュニケーションをとりながら楽しむゲーム。エンターブレインの「ファミ通ゲーム白書2011」によれば、2009年に255億円だった国内のソーシャルゲーム市場は2010年、約4.4倍の1120億円と急拡大している。コンソールゲーム(ゲーム専用機用に作られたビデオゲーム)を開発・販売するゲーム専門メーカー支えてきたゲーム業界のパワーバランスは、新世代に突入したとも言える状況だ。