iPadを固定電話化するという選択肢

 作業前、「複数台の端末に050 plusで取得した電話番号を割り当てられるのか?」という疑問を感じていた。筆者は、iPhone 4で050 plusに加入し、自分専用の電話番号を取得している。そのため、同じ電話番号をiPod touchやiPadに割り当てられるのかという点が不安だったのだ。

 実際に試してみると、この点も問題なかった。アプリの設定一覧に「050 plusの初期設定」という項目があり、ここから先に取得した電話番号とパスワードを入力すると、同じ電話番号で050 plusを利用できる。電話番号を共通化できることで、複数台の端末を目的別に使い分けるということもできそうだ。

050 plusは複数の端末で併用できる。作業は、設定一覧から「050 plusの初期設定」へ進み、取得した050 plusの電話番号とパスワードを入力するだけだ(画像クリックで拡大)

 この利点を生かして、筆者が考えたのは、iPadを自宅で据え置きのIP電話として利用すること。携帯電話の普及により、固定電話を使っていない人が増えている。筆者も固定電話は利用していない。通常はケータイだけで問題ないのだが、自営業という手前、事務所兼自宅の我が家には、ケータイ以外に使える電話番号があった方が良いことがある。そんなときに取得した050番号を、あたかも自宅の電話のように使えないかと思ったのだ。

 ここで利用するのはiPad。iPadをスタンドに立て、050 plusを起動させた状態でデスク上に置いておく。ACにつながった状態なのでバッテリー切れの心配もなく、電話の待ち受け状態を保てる。電話がかかってくれば、着信音とプッシュ通知で知らせてくれるので、こちらも問題なし。050 plusの特徴である、固定の電話番号を持てる点を考えると、固定電話的な使い勝手も申し分ない。スタンドに立てたまま通話することになるが、いわゆるFaceTimeスタイルなので、iPadの通話にはピッタリだ。

 ただし、iPhone専用としている手前、複数台の端末に050 plusを導入して使い分けることは想定していないらしく、随所に使いづらい点はある。特に複数台で050 plusを起動させた場合は注意が必要だ。着信に利用できるのは、最後に起動したら端末だけとなってしまう。この点はまだ許容範囲内だが、この最後にアプリを起動した端末で050 plusを終了させると、全く着信できなくなってしまうのには参った。

 iPhone 4、iPad 2、iPod touchの順に050 plusを起動させたと仮定しよう。このとき着信する端末は、最後に起動したiPod touchになる。もし、使わないからといって、iPod touch上で050 plusをオフにしても、次点のiPad 2が着信先に繰り上がることはない。iPad 2で着信させるためには、iPad 2上で050 plusアプリを再起動する必要があるのだ。

 これは着信に限った話で、発信はOKだから、ややこしい。例えば複数台の端末で同時接続した場合に限り、着信に利用する端末を指定できる機能や、接続した端末に対して順繰りに着信通知を出すといった機能があると便利だ。

 このほか、よく電話をかける相手を登録する「お気に入り」(ワンタッチコール)や、着信と受信の履歴、通話サービスの利用状況を示す「お得額情報」を端末間で同期する機能もほしい。複数の端末で通話していると、今月いくら利用したのかが一目で分からない。端末ごとに利用料を確認し、自分で合算しなければいけないのだ。

 もしも今後、対応機種にiPod touchやiPadを加えるようなことがあれば、上記に挙げた、一括管理できる仕組みも取り入れてほしい。これら細かな使い勝手を改善させていけば、魅力あるスマートフォン向けIP電話サービスとなることだろう。

※編集部注:今回の記事は、050 plusとしてはサービス外の利用法になります。編集部として、動作を保証するものではありません。また、個別事例に関しての質問にお答えすることはできません。

iPad 2をスタンドに立てかけて電源コネクタに接続。さらに050 plusを起動させておけば、見た目は違えど、機能はまさに固定電話だ。個人オフィスであれば、こんな据え置きの電話として十分に機能する(画像クリックで拡大)

電話がかかってくると、着信音とプッシュ画面で通知される。左は画面オフ時に表示、右はホーム画面を表示していたときの通知画面(画像クリックで拡大)

画面をスワイプ、もしくはタップして「表示」を選ぶと、着信画面に切り替わる。ここで「応答」を選ぶと、通話が始まる(画像クリックで拡大)

著 者

原 如宏(はら ゆきひろ)

パソコンから食べ物まで、ジャンルにこだわらず手がけるライター界のなんでも屋。モバイルノート&iPadをカバンに入れ、365日都内のカフェを巡りながら執筆活動を続けている。主な連載はYomiuri Onlineの「トラブル解決Q&A」やフロム・ナウ「ライターHのデジモノ放談」など。Twitterの公式アカウント(@raitanohara)にて、最新のクラウドサービスや機器のテスト状況、さらには記事の後日談などをつぶやき中。