人間誰しも美しく生活したいと思っている。それは見た目だけじゃない。中身から美しくということだ。

 それはクルマも同じである。今どきクルマを実用性だけで買う人はいない。だったらトラックやバンでいい。そうではなく、乗る人の身体はもちろん、時には頭や心まで気持ち良くしてくれるから買うのである。それはスタイリングであり、走りであり、質感であり、ブランド性であり、知的興奮を誘うエピソードである。クルマはある意味、五感で味わうプロダクトだ。だから楽しくも難しいのである。

 というわけでこの“ビューティフルカー”では私、小沢が美しさや知的エピソードを中心にクルマを語っていこうと思う。

<コンセプト>
不思議な判官びいき感覚?

(画像クリックで拡大)

 正直、驚いた。まずは最近のマツダ「デミオ」に対する注目度の高さに。正確にはマイナーチェンジと同時に新型エコエンジンが搭載された“デミオ 13-SKYACTIV(スカイアクティブ)”にだ。なにしろ新聞の一面に取り上げられたこともあるし、テレビでもインタビューを流していた。

 デビュー以来、国内販売ではベスト10位前後をさまよい、若干マニア向けとも思えるコンパクトカーだったのにもかかわらずだ。

 原因はハッキリしている。“30km/Lの魔法”だ。燃費バトルでも書いたが今や日本はカンペキに燃費至上主義時代。地球温暖化問題もあって「燃費が良くなきゃクルマじゃない!」ぐらいの勢いになりつつある。

 しかも、マツダは独自のスカイアクティブ技術やアイドルストップ機構により、一般的なハイブリッド技術なしで低燃費を実現した。モーターという分かりやすいアシストがないわけだが、それでいて10・15モード燃費は30km/L! JC08モード燃費は25km/L! 前者はホンダ「フィット ハイブリッド」とまったく同スペックで、確かに立派なものだ。