彼女たちの名前は、制服向上委員会(せいふくこうじょういいんかい)。1992年秋に「清く正しく美しく」をモットーに結成。オーディションによるメンバー交替を繰り返し、これまで1期生から16期生まで、総勢約100人が在籍。現在は9代目リーダーの小川杏奈、「会長」の橋本美香など13人が所属している。

 特徴は、アイドル活動の一環として社会活動を行っていること。1997年に「SKi基金」を設立し、養護施設や福祉施設などに基金を贈呈しているほか、「いじめ追放のデモ行進」「携帯電話の使用規制」の請願や、自転車のルール作りを訴え「マナー向上委員会」として署名運動など、活動は多岐にわたる。今月6日には、東日本大震災の義援金として毎日新聞東京社会事業団に、コンサートの収益金から20万円を送った。

 楽曲にも社会的なメッセージを込めている。今年4月に発売した「うちまたブギー」のカップリング曲「TVにさようなら」は、地デジ反対を歌ったもの。「『使えるものを使えなくする』という考え方は高齢者には許せないものだろうし、デジタルはわかりづらいものだと思う。だから私たちが声を大にして『TVにさようなら』と歌うしかなかった」(プロデューサーの高橋廣行さん)。

 脱原発を歌った「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」は8月15日発売予定。すでにライブで歌う様子がYouTubeで公開され、現在の再生回数は10万回以上にのぼっている。制作のきっかけは、「(震災以降)『私たちも何かしなければ』の思いから試行錯誤しているとき」に書評家の吉田豪さんから「今回の原発事故についてSKiも当然何かやるんでしょ!?」と言われたことだったという。

 「フジロック出演がとりやめになった」というつぶやきの後、ツイッターなどでは、フジロックへの批判のほか、制服向上委員会が出演者欄に名前がなかったことや、フジロックでは脱原発イベントも行われることなどから、「本当に出演予定だったのか」などの疑問も書き込まれた。その後、騒動の元となったコメントは削除され、「“フジロック飛入出演”から“出演中止”におけるコメントにて、関係者へのご迷惑とファンの方へ不快感を与えたことについて、深くお詫び申し上げます」などのコメントが掲載された。これについて高橋さんは、制服向上委員会側からのオファーで出演交渉をしたところ、「31日の夕方のステージなら可能性がある」と返事があり、出演時間についての調整に入っていたと話す。しかし、13日のUSTREAM番組「A.I.S.A」で出演を発表した翌日、「突然NGの連絡が入り、がくぜんとし」たという。NGの理由は明らかにされていない。

 フジロック出演はかなわなかったが、今後もイベント出演は続く。8月3日に新宿ロフトで行われる「climate-J stand Vol.4電力を自由化せよ!」、8月10日に日比谷野外大音楽堂で開催される「げんぱつじこ夏期講習」に出演する。

「『テレビに出るため』とか『CDを売るため』とかではなく、この時代に制服向上委員会として何ができるかを考え、無理せずできることを確実に実行していく」(高橋さん)(画像クリックで拡大)

(文/小川たまか=プレスラボ)