「小鶴ZERO」300mL入り230円。ロックや熱燗のほか、この商品で焼酎を水割りすることで、より濃厚な芋の香りを楽しむ、という飲み方をする人もいるのだそうだ(画像クリックで拡大)

 ノンアルコールビールならぬ“ノンアルコール焼酎”が小正醸造(鹿児島県日置市)より発売され、注目を集めている。商品名は「小鶴ZERO」。同社で販売している芋焼酎ブランド「小鶴」のノンアルコール版だ。口に含むと、本物さながらの濃厚な芋の香りがふわっと鼻へ抜けていく。ノンアルコールのためか、後口もスッキリしていて飲みやすい。

 「通常の焼酎の製造過程から、酵母菌による発酵のみを抜いてあります。そのほかの工程はまったく同じなので、香りは通常の芋焼酎とまったく同じです」(同社常務取締役、小正芳嗣さん)。しかし、アルコールが入っていないと、どうしても本物の焼酎と比べて味があっさりとしすぎてしまう。そのため、わずかに酸味や甘みを足し、芋焼酎の「アルコール感」を再現している。

 そもそも、この“ノンアルコール焼酎”を作るきっかけとなったのは、同社に寄せられたお客さんからの声だったという。「ノンアルコールビールの発売以降、『そちらでノンアルコールの焼酎は作っていないのですか』という問い合わせがいくつか寄せられました。最初は『ノンアルコールのお酒が、本当に必要とされているのか?』と開発をためらっていたのですが、ノンアルコールビールの人気の上昇と、相次ぐお客さんの声に、開発を決意したんです」。

 今年の4月から、小売店での販売のほか、本社での直販やウェブサイトなどでも取り扱いを開始。販売から2カ月で、当初の目標本数の2倍以上と、予想以上の売り上げを見せた。

 「購入者は、比較的年齢層の高い人が中心。車の運転で飲めない人や、お医者さんから飲酒を制限されている方、妊婦の方など、様々な方が購入しているようです。夫に飲酒を控えさせたい奥さんが購入するケースもあります。ただ、購入者からは『良く作ってくれた』という声が寄せられている一方で、もともとお酒を飲まれる方からは『物足りない』という意見も多く届いています。今後の品質課題として、細かく調整していきたいですね」。

 ノンアルコール飲料に新しい選択肢を加えた「小鶴ZERO」。カロリー・糖質もゼロなので、健康に気を使う人にもおすすめだとか。晩酌の新たなお供になりそう?

(文/森石 豊=Office Ti+)