「中国には“外国語映画枠”があり、外国映画の上映は年間20本までと決まっている。しかも、そのほとんどをハリウッド映画が占めており、日本映画の枠は最大で2本。今回はそこにうまく入り込むことができた」(江崎氏)

 狭き門をくぐり抜けるために尽力してくれたのが、ウルトラシリーズの中国での窓口を担当する代理店の存在だ。

 「2002年から上海世紀華創文化形象管理有限公司(SCLA)という会社に代理店になってもらった。2004年に再度テレビ放送を開始できたのも、この代理店の力が大きい」と大岡氏が褒めれば、江崎氏も「中国で最も影響力を持つメディアグループの1つである上海メディアグループの資本が入っているので、今回の件に関しても裏工作などではなく、真正面から企画を通していける会社。そういう相手と一緒に組むことができたのは運が良かった」と、その実力を認めている。

 かくして、日本映画を中国の劇場1000スクリーンで公開するという、日本映画史上初となる挑戦が実現した。

(後編につづく)

プロフィール

安部 偲

早稲田大学を卒業後、演劇活動を経てフリーライターとなり、映画とネットビジネスを中心に執筆。著書に「映画監督になるということ」(演劇ぶっく社)、「eビジネス用語 早わかり辞典」(日本実業出版社)がある。2001年、有限会社キッチュを設立。現在、映画情報サイト「MOVIE Collection [ムビコレ]」や、アイドル支援サイト「アイドルcheck!」などを運営中。