中国での外国映画の上映は年間20本まで、日本映画枠はたった2本

江崎隆明(えざき・たかあき)氏
円谷プロダクション 映像事業本部副本部長

 話を元に戻そう。1993年から中国のお茶の間を楽しませていたウルトラシリーズだが、テレビで放送できなくなることによって、さまざまな不具合が生じてくる。

 中でも大きな打撃を受けたのが同シリーズのキャラクタービジネス。「ビジネス展開を考えると、テレビ放送ができなくなっても、メディアへの露出は不可欠。DVDなどのパッケージ化の話も出てくるなかで、新たな案として浮上したのが映画だった」(大岡氏)。

 江崎氏も「テレビという巨大メディアでの露出がなくなると、子どもたちの関心はドンドンと新しいものに移ってしまう」とテレビから消えることの影響力の大きさを実感。「営業先からも『テレビ放送ができなくなったが、今後はどうするのか?』と必ず言われる。そこで雑誌で展開します、VCDとDVDを出しますと話しても、テレビ放送のような爆発力が足りない。でも映画なら強力なサポートになると思った」と振り返る。キャラクターなどのライセンスビジネスを展開する上では、テレビや映画といった伝播力のあるメディアの存在が不可欠なのだ。

 こうして中国で映画を劇場公開するという新たな戦略が立てられる。日中合作の映画を新たに製作するといったアイデアも俎上に載ったが、最終的に選んだのは既存の映画を劇場公開するというものだった。とはいえ、あまり知られていないが、中国では外国映画の上映に対し大きな規制が存在している。