美しい宝石やアクセサリー、お好きですか? ところが、そんなジュエリーと発展途上国の貧困に、深い関わりがあると知ったらどうでしょう。一見、無関係のように見えて、利権争いや鉱山労働者からの搾取、児童労働問題、環境破壊といったさまざまな社会問題が潜んでいるのです。永遠の愛を誓う結婚指輪が、多大な犠牲の上に作られたものだったら…。

 エシカル・ジュエリーとは、そうした問題を介在させず、公正な取り引きによって作られるジュエリーのこと。日本でも、2009年に白木夏子さんがエシカル・ジュエリーブランド「HASUNA」を創業。認知が高まりつつあります。はたして、ジュエリーを買うことと現地への支援がどう結びつくのか、白木さんに、その思いをお聞きしようと、南青山「HASUNA」本店を訪れました。

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丁野奈都子(以下、丁野):こちらの本店がオープンしたのは、3月22日。東日本大震災の直後だったんですね。

白木夏子(以下、白木):そうなんです。ちょうど内装をやってもらっているときでした。オープン日をずらそうかどうしようか、ずいぶん悩みましたね。自粛ムードも漂っていましたし…。でもなんとか、大勢の方に支えられ、無事に開店できました。

丁野:忘れられないオープンになったんですね…。一つひとつ手作りの、大震災復興チャリティーリングも販売されていますが…。

白木:ジュエリーの会社として何ができるか考え、やらなければいけないと思って、「生まれ変わる」「再生する」という意味を込めたリングを作りました。この震災は、なによりも人にとって忘れられない、忘れてはいけないことだと思ったからです。リングは売り上げから経費を抜いた分を、被災地のケアが必要な子どもたちを20歳になるまで支援する「ハタチ基金」へ全額寄付させていただいています。リングを見るたび、そうした子どもたちのことを考えます。

 リングにした意味は、そういう支援だけじゃありません。震災直後に、私たちのところにも、世界各国の取引先や知人から、たくさんのメッセージが届きました。温かい心や思いやりを感じて、すごくうれしかった。絆を感じました。リングを常に身につけることで、そうしたつながりをずっと忘れない、と思ったんです。震災を忘れないように、被災地への支援も忘れることなくずっと継続していかなければならないですし。

 ジュエリーというのは、そういう風に、思いを身につけるもの、なんだと思います。