相手が猫だけに、撮影時の苦労は多々あったようだ。「約束の時間に行っても猫が外出中」「2時間待っても棚の上から降りてこない」「どこかに隠れて出てこない」うえに、いざ撮影となっても犬のように「待て」ができない……。モデルではない、飼い猫ならではの秘話も書かれており、猫好きにはたまらない1冊となっている。価格は1000円(画像クリックで拡大)

 街中の店舗で飼われている猫を集めた本『吾輩は看板猫である』(文藝春秋)がじわじわと売れている。

 もともとは2010年3月に発行されたムック本「CREA Due Cat(No.3)」の「街の『看板ネコ』を探して」という4ページ特集。これがとても好評だったことから、企画から執筆まで担当していた梅津有希子氏と、編集担当の文藝春秋の樋口歩氏が動いた。震災直前の3月10日発売ながら、初版の8000部から版を重ね、4月末時点で1万5000部を発行。売れている理由について、樋口歩氏は「昭和レトロな店で働くネコという存在にぬくもりや懐かしさを感じて手に取ってもらっているのかな、と思います」と回答。

 掲載されているのは、ちょっぴりメタボな青果店のアイドルから、ネクタイを締めて毎朝9時出勤する工具店の社長まで、昭和レトロな22店の店番ネコ27匹。

 また、梅津氏は、「看板猫本のファンを増やしたい」と考えたことから、Twitterやブログを積極的に活用。撮影を始めた11月から本の発売の3月まで、取材の様子をアップしたり、表紙の写真もTwitter投票で決めている。これについてどれだけの効果があったかは不明だが、たくさんの人が応援してくれたことにより、梅津氏自身のモチベーションアップにつながったという。

(文/北本祐子)