彼の名前は東川篤哉(ひがしがわ・とくや)。1968年、広島県生まれ。

 2002年に、『密室の鍵貸します』で光文社の新人発掘プロジェクト「KAPPA-ONE登龍門」を受賞。デビューするまでの約8年間、月収12~13万円のアルバイト生活をしていたことを、雑誌インタビューで明かしている。その後、『密室の鍵貸します』、『密室に向かって撃て!』『交換殺人には向かない夜』などの作品を光文社から刊行し、2009年刊の『ここに死体を捨てないでください!』は「2010本格ミステリ・ベスト10」の8位に選ばれた。

 本屋大賞受賞作となった『謎解きはディナーのあとで』は、小学館の文芸誌「文芸ポスト」と「きらら」に2007年から2009年まで掲載された作品4編に書き下ろし2編を加え、2010年9月に発売。初版は7000部からのスタートだったが、発売3日で重版が決定し、11月に朝日新聞の書評コーナーで取り上げられたことや、12月末にテレビCMが打たれたこと、2月に「王様のブランチ」(TBS系列)で著者インタビューが放送されたことなどで売れ行きが加速。同社担当者は「発売からコンスタントに売れ続けた」と話す。電車内で、作品の主人公である令嬢刑事に執事が毒舌で話しかけるステッカー広告を目にした人も多いかもしれない。

 「これまでミステリー作品が受賞したことのない本屋大賞を受賞したことに本人は驚いた」(同社担当者)といい、今後もミステリー作品を書き続けていく予定という。すでに同社の漫画雑誌「プチコミック」でコミック版『謎解きはディナーのあとで』の連載がスタート。また、続編となる単行本を今年中に刊行する予定もあるという。ファンにとって待ち遠しい第2弾の刊行は、そう遠くなさそうだ。

本屋大賞受賞後の単行本帯には「究極のエンターテインメント!」など、書店員による絶賛のコメントが(画像クリックで拡大)

(文/小川たまか=プレスラボ)