「今回もきっと立ち直る」のか?

 今回の大惨事の直後から、海外のメディアからは「日本が大変なことになった」というニュースとともに、被災した日本人の冷静で秩序だった行動を賞賛する声が一斉に挙がったのは記憶に新しいですね。大惨事の中ですが、海外から一流の国民だと褒められて悪い気がしなかったのは私だけではないと思います(関連記事:スイス英国米国の反応)。

 その議論の延長上で、「日本の奇跡は終わっていない」(英国フィナンシャル・タイムズ/2011年3月17日)、「今回もきっと立ち直る」(ニューズウィーク日本版/3月16日)と、海外発の論調には日本への応援歌的なものが目立ちます。その勢いに乗るかのように「日本は立派に復興する」と語る日本の識者は少なくありません。

 今はまだ原発の先行きは予断を許しません。この点については海外の論調も手厳しいものがありますが、今回は直接この問題を取り上げるのは控えることにします。この問題は、サブタイトルの「政府の失敗」をはるかに超えて「怠慢と裏切り」が臭います。この点についてはもう少し事実関係がはっきりしたところで改めて論じる機会を待ちたいと思います。さて、大震災プロパーの話に戻りましょう。

 海外からのものは単に日本への好意的な応援歌だと考えると、その論拠を深掘りするのは適切ではありませんが、正確に状況を把握した国内の識者たちが、十分納得的な議論もなく「立派に復興する」と公言しているのはいかがなものかと思います。その人たちは、日本人は先の戦争での敗戦という大変な危機からちゃんと立ち直ったじゃないか、阪神淡路大震災も乗り切ったじゃないか、だから今回も……と言います。私は時代背景も人間もまた人間行動の質もまったく違う2つ3つの状況を並べて、前回勝ったのだから今回も勝つはずだと言うのは無責任極まりないことだと思います。

 今回も結局何とか立ち直るのは間違いありません。ただ、私が立ち直るというのは、被災地は言うに及ばず日本のあらゆる地域で二度と同じ目にあわない状態をつくり上げることです。その意味ではきちんと「立ち直る」のは並大抵のことではありません。今の政府の状況ではまったく無理でしょう。

 以下では、なぜ無理なのかを論じますが、そこで申し上げることは大なり小なり日本の普通の会社にも当てはまります。国を引き合いに出しながら、日本の会社の皆さんにどうしたら国と同じくらいアホにならないですむかをお話ししたいのです。早速本論に入りましょう。

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」電子版では「不屈の日本(Sturdy Japan)」というコラムが掲載された