調査会社のBCNは2011年4月7日、東日本大震災がパソコンやデジタル家電などの販売に与えた影響をまとめ、マスコミ向けに説明会を開催した。データは、全国の家電量販店を対象に調査したもの。震災を受けてさまざまな分野で自粛ムードが広がるなか、デジタル家電の販売は早い段階で勢いを戻し、震災前の水準近くまで回復していることが分かった。

震災が家電製品の消費にどのような影響を与えたのかをBCNが調査した。震災は消費に大きく影響したが、デジタル家電の販売は回復してきている(画像クリックで拡大)

震災直後、被災地の売り上げは7割減になったが、全国平均では微減にとどまる

 震災の発生を受けて、被害の大きかった3県(岩手、宮城、福島)の3月11~31日までの売り上げは、2010年の同時期と比べて74.7%減にまで落ち込んだ。震災の影響を受けた関東エリアも同様に落ち込みが大きく、震災による消費マインドの落ち込みは確かに発生した。だが、全国平均では1.2%減にとどまり、震災の影響がなかったエリアでは堅調だったことがうかがえる。

 販売の落ち込みは、震災直後の1週間ほどに集中していた。東北や関東エリアでも、3月後半から消費が急激に回復しており、震災前の水準近くにまで戻った。

震災で大きな影響を受けた3県の消費は、前年同月比で75%近くも落ち込んだ。だが、全国平均だとわずかな減少にとどまっている(画像クリックで拡大)

東北や関東など震災の影響を受けた地域では、他地域と比べて明らかな消費の落ち込みが見られた。だが、直近ではグラフが大きく上昇し、震災前の水準近くまで戻しつつある(画像クリックで拡大)

 アナリストの道越一郎氏は、消費復活の要因を「家電エコポイント制度の終了時期が重なり、薄型テレビが需要を持ち上げた」と分析する。エコポイントが2011年3月末で終了することを受け、駆け込み的な需要で消費が拡大したという。

 震災後、需要が急激に伸びた商品のひとつがUPS(無停電電源装置)だ。もともと動きの少ない地味な商品だったが、震災直後は前年比で6倍を超える売り上げを記録した。当初は価格の安い商品から売れていき、低価格帯の商品が品薄になって徐々に高価格帯の商品が売れていったことで、販売単価も上昇したという。

震災後に特需が見られた商品。特に、UPSが大きく伸びたことが分かる(画像クリックで拡大)

UPSは、直近のデータで2万~3万円台の高価格モデルが急伸している。低価格モデルの品切れが影響したようだ(画像クリックで拡大)