【社員の幸せ】

 今の消費者は企業の先にある「人」を見ていて、消費者と企業の関係は実は人と人の関係なのだ、と高田さんは考えています。したがって、ジャパネットたかたという集団にいる個人の一人ひとりが輝かなければ顧客に感動を届けることができない、というわけです。高田さんは社員に、夢を持ちなさい、夢を想いに変えなさい、想いを言葉にし、その言葉を実践してお客様に感動を届けなさい、そしてその感動をお客様と共有できて初めて「いい仕事」をしたことになります、と言っているのだそうです。

 このことからも分かるように高田が社員に要求するものは相当高いものがあります。ただ、社員が辛い思いをしているかと言うと決してそうではありません。それは社員の一人ひとりに「何のために働くのか、何を目指している集団なのか」がきちんと伝わっているからなのだと思います。理念経営の例に漏れずジャパネットにも「クレド」がありその中心に「4つのミッション」があります。

  • 「ジャパネットたかたクレド」の中にある「4つのミッション」
  •  1  商品の先にある「生活」や「感動」を届けること
  •  2  身近で便利で安心・快適な買い物手段であること
  •  3  商品の最大限の価値を伝えること
  •  4  楽しさ、面白さ、元気を与えること

 ※クレド:行動指針などを簡潔に記載した携帯型心得集

 もちろんクレドがあればいいというものではありませんが、それが「活きている」のは社員の皆さんが仲良し集団だからではないかと思っています。米国のグーグルやザッポスにも共通するようですが、私はこれからの元気な企業には「文化祭ノリ」が必要なのではないかと思っています。ジャパネットにはそれがあります。その1つが、高田さんが何回も口にした「望年会」(ジャパネットでは忘年会をこう呼びます)です。全社員が一堂に会してさまざまな出し物を演じ盛り上がるということです。また、アイデア・マラソンという提案制度もあって、社員から提案されたアイデア・ノートは何と100万件に及ぶそうです。それらが適宜実行に移されるわけですから社員の皆さんが燃えるのもよく分かります。

 このように社員を全力疾走させながら、彼らを厚くねぎらうことも高田は忘れていません。年1回社員全員を海外旅行に連れて行く、社員用の体育館・温泉・フットサルコートからなる施設をつくる、そして、いまは社員用のマンションを計画中とのことです。顧客満足の前に社員満足とはよく言われることですが、それをここまで徹底し、好循環を実現している会社はそうないのではないかと思います。