40歳も過ぎると、職場である程度の役職に就き社内外の付き合いが多くなる。外食の機会が増え、それに加えて運動不足などから定期健診で脂質異常症と診断される人も少なくない。痛みや痒みなどの自覚症状がないので、治療が遅れがちになる。

 この病気は血液中のコレステロール、中性脂肪が異常に増えるため、放っておくと必ず動脈硬化など血管障害を起こして心筋梗塞、脳梗塞などを合併する可能性が高い。主な原因は高エネルギー食、運動不足などの生活習慣、ストレス、飲酒などで、遺伝的な体質によるものもある。

 西洋医学では食事療法、運動療法を行い脂質代謝改善薬やコレステロールの合成を阻害する薬などを使って治療する。

 漢方療法では軽症、中等症例を対象にし、治療にあたって一般的な食事療法、運動療法のほか特に肥満者の減量を必須としている。漢方薬のなかに、これまでいくつかの基礎的な研究で高コレステロール、高トリグリセリドが低下したという報告もある。

 よく使われるのが「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」「大柴胡湯(だいさいことう)」「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」などである。

 防風通聖散は便秘がちで肥満があり、俗に太鼓腹といわれる人に用いる。食毒、水毒などを発汗、利尿、便通などによって排出して病変を改善させると考えられている。薬方のなかの「大黄(だいおう)」には緩下作用があり、「桔梗(ききょう)」「山梔子(さんしし)」には解毒消炎作用があると言われている。