まずは今後の収支の確認を

 これまでに説明したように、子供の教育費は簡単に捻出(ねんしゅつ)できるものではありません。前回のコラムで大学にかかる費用を示しましたが、例えば私立文系で下宿で1人暮らしする場合なら、4年間で1000万円の出費を覚悟すべきです。

 では子供が2人いる場合は、大学の費用として2000万円程度を貯めねばならないかというと、そうではありません。基本的なコンセプトは下記の通りとなります。

フローで賄えない金額をストックして準備する

 この考え方は、下のグラフを見れば理解できると思います。

 このグラフは、最近相談にいらっしゃったご夫妻の今後の収支のバランスを表したもので、赤い折れ線グラフは、世帯収入の額の推移を描いたものです。

 現在37歳と35歳のご夫妻の世帯収入は、約700万円程度です。40歳前後で世帯主が昇進し、40代前半で配偶者がパート収入を得ることを見込んでいるので、2段階で収入が増えるように設定しています。また、40歳前後で住宅の購入を検討しており、その後75歳までの35年間、ローンの負担が続く見込みです。お子様は2人です。

 この例をケーススタディとして、いつまでに、どの程度の資金の準備が必要となるか、具体的に考えてみましょう。

 グラフを見ると分かるのですが、教育費の負担(=子供関連費)は、徐々に重くなっていきます。しかし世帯主が50歳になるまでは、生活費や住宅ローンを加えた総額、つまり、棒グラフの高さが、世帯収入を表す赤い折れ線グラフを超える年はありません。(世帯主40歳時は、住宅購入の頭金を払うため一時的に超えていますが、これは例外とします)。

 つまり今から13年間は、特に準備をしなくても、やりくりでなんとか家計はうまく回ると予想できます。しかし、世帯主が52歳になると状況は一変します。ここから数年間は毎年、棒グラフが折れ線グラフを突き抜けているのです。これは毎年、突き抜けた金額だけ貯金が減ることを意味しています。(50歳時にも棒グラフが突き抜けていますが、これは世帯主の趣味による400万円前後の自家用車の購入の影響です)。