テーマは「道づくりによる街づくり」

 両ビルの開業を皮切りに、「日本橋室町東地区開発」2014年の全体竣工に向けて開発が進んでいくことになるが、ポイントは“通り”にあるという。「今の日本は通りのイメージが希薄になっている。世界の町はどんな通りにも名前があり、個性がある。今回の開発では『道づくりによる街づくり』を目指している」(三井不動産 日本橋街づくり推進部・中川俊広部長)。

 そこでまず、中央通りに面するビルの低層部の高さを約100尺(約31m)に統一。今回オープンする室町東三井ビルディングと日本橋室町野村ビルもそれに合わせている。さらに、今後開発が進められる「仲通り」「浮世小路」は電線を地中に通して石畳を敷き、「江戸桜通り」には日本銀行から続く桜並木を延伸して歩道幅も広げるなどし、エリア内のそれぞれの通りに個性を持たせる計画だ。さらに2014年の全体竣工時には地下2階レベルで駐車場を連結し、クルマの出入口をエリア全体で2カ所に集約することで、歩行者を妨げないようにするという。

 三井不動産は04年に「コレド日本橋」をオープンし、05年に竣工した日本橋三井タワーに「マンダリン オリエンタル 東京」を誘致するなど、日本橋の再生に注力してきた。今回のプロジェクトに関しても、「日本橋の歴史や伝統、文化を再生し、上海やシンガポール、ソウル、バンコクなどとのグローバルな都市間競争に勝ち抜くための象徴としたい。日本橋の再生が東京、そして日本の再生につながる」(三井不動産・岩沙弘道社長)とかなりの力の入れようだ。

中央通りの向かい側から見た様子。左の日本橋室町野村ビルと正面の室町東三井ビルディングの低層部の高さが統一されていることが分かる(画像クリックで拡大)

「仲通り」は電線を地中化して石畳を敷く(画像は完成イメージパース)(画像クリックで拡大)

「江戸桜通り」は桜並木を設け、歩道幅を広げる(画像は完成イメージパース)(画像クリックで拡大)

「福徳神社」を室町福徳塾から移設し、周辺を参道と「福徳の森」として整備する(画像は完成イメージパース)(画像クリックで拡大)

(文/山下 奉仁=日経トレンディネット)