【必ず役立つ! 豊田直之の撮影"タイガーロール"】

カメラで遊んでおもしろ作品作りにトライ!

港に係留されているモーターボートをミニチュア模型のように撮るために、カメラの撮影モードを「ジオラマ風」にセット。フォーカスの合う部分を画面センター付近に設定し、あとは大きくボケるようにして撮影。モーターボートがまさにミニチュア模型のように写った
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:ジオラマ風、ISO感度:オート(125)、ズーム:光学約1.3倍、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:シーンモードの「ジオラマ風」にセット。モーターボートがかわいい感じになるようなアングルを探り、あとはカメラ任せで撮った(画像クリックで拡大)

 コンデジの魅力といえば、そのコンパクトさと簡単キレイなオート撮影ですが、メーカーが工夫を凝らした各種の設定モードも隠れた魅力の一つ。このIXY 50Sも、28種類ものシーンを自動判別して最適に設定してくれる、まさにカメラ任せの「こだわりオート」が大きな魅力ですが、さらに一歩踏み込んで撮影者の意図を手軽に反映させられる24種類の「撮影モード」を備えています。今はやりの「ジオラマ風」はもちろんのこと、前回少し紹介した「ワンポイントカラー」という一つの色だけ残したモノクロ表現。カメラを手持ちで夜景撮影ができる機能など、撮るための機能が相当充実しています。時にはこれらの機能を使って、どんどん遊んでみようではありませんか。

 今回このカメラを使っていろいろと試した中で、非常に面白かったのは「ジオラマ風」「魚眼風」「手持ち夜景」でした。「手持ち夜景」については、既に解説しましたので、残りの二つについてお話しましょう。

 まず「ジオラマ風」は、写真がミニチュア模型を写したような作品に仕上がります。フォーカスの合う範囲を自分で決められるので、狙った部分だけにピントを合わせて、あとは大きくぼかす。そんな撮影ができます。ミニチュア模型風に撮れるわけですから、写真という意味では現実的な作品というよりも、メルヘン調の作品になります。だから、なるべくかわいい感じに仕上がることをイメージしながら撮るといいですね。かわいい感じに仕上げるコツは、クルマだったり人間を意識するといいでしょう。またワンポイントとなりそうな色にも気を使うことです。

 このページのラストの作品(スーパープレミアムカット)は、金森赤レンガ倉庫群に行った時に撮影したもの。ただでさえ赤レンガ倉庫はミニチュア模型的に写すのに最適です。それをさらにかわいく撮ろうとするなら、そこを歩く人や走るクルマを待ちながらうまく配置するといいでしょう。このときもちょうど欲しかった黄緑色のクルマが通り、よし!チャンスと思ったときに、さらに軽自動車が前を通って左折してくれました。偶然といえば偶然ですが、そんなタイミングを見極めながら撮ると、この「ジオラマ風」はより効果的に撮れるはずです。

 もう一つの撮影モード「魚眼風」。これは歪み方を「強」「中」「弱」の3通りから選べるのですが、「強」の方が効果がはっきりしているのでいいでしょう。その代わり大きく歪むので、使い方を考える必要があります。今回もマクロと造形美のところでそれぞれこの機能を使った作品をお見せしました。今回たまたまさらに面白い撮り方を発見しました。それは「コミックポートレート」とボクが名づけたのですが、漫画やイラストレーションのように顔を大きくデフォルメした撮り方です。被写体になる方に協力してもらわなければなりませんが、抱腹絶倒間違いなしの作品が撮れます。

宿泊するホテルのフロントでjinkeディレクターが手続きする際にひらめきました。ここで「魚眼風」の撮影モードを使ってみたら……。まぁこれは真実を大きく歪めた世界ですが、漫画やイラストレーションというとらえ方をすればありだなと。顔が大きくデフォルメされ、カラダが極端に小さく写ります。写ってもらう人にも協力してもらう必要はありますが、この名づけてコミックポートレートは面白い世界です
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:魚眼風、ISO感度:オート(125)、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:モニターでしっかりとデフォルメされる部分を確認しながらアングルを探し、あとはカメラ任せで撮影した(画像クリックで拡大)

さらにこの機能で面白いのを撮ってみようと試してみた。今度はもっと接近しての撮影。もう大きくデフォルメされた顔は、写真というよりもまさにコミックの世界。背景の歪みも確認して、被写体の面白さを引き出すように整理しながら撮る必要はある
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:魚眼風、ISO感度:オート(250)、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:カメラのモードを魚眼風に切り替え、被写体に接近。歪みをモニタで確認しながら、同時に背景もうまく整理しながらアングルを決める。あとはカメラ任せで撮影(画像クリックで拡大)

 魚眼風でも接近して撮る場合と、少し離れて撮る場合とがありますが、うまく使いこなすと実に楽しいものです。もちろん真実を写すという写真の概念からすると本道からは外れているかもしれません。でも、遊び心をいっぱいにして、撮る楽しさを満喫できるなら、それはそれでいいのではないでしょうか。ぜひIXY 50Sのように遊び心が萌え出すカメラを使い倒してほしいものですね。(豊田 直之)

まさに街そのものがミニチュア模型・ジオラマのような街・函館。最近流行の「ジオラマ風」という撮影モードを使うと、さらにかわいらしい街として函館を撮ることができる。ちょうど金森赤レンガ倉庫群にさしかかったとき、一台の黄緑色のクルマがボクの横を通り過ぎていった。これだ。赤レンガの色に相反する黄緑。正反対の色を補色というのだが、この色が入ることでさらにかわいい感じになるだろう。そう考えたのである。シャッターを切ろうとした瞬間、さらにもう一台の軽自動車が通り過ぎて、その先を左折した。その瞬間にシャッターを切った
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:ジオラマ風、ISO感度:オート(125)、ズーム:光学約3倍、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:黄緑色のクルマが通り、さらにもう一台の軽自動車がその先を左折。そのタイミングを見計らって、あとはカメラ任せでなるべくかわいいジオラマ風作品になるように撮った(画像クリックで拡大)