造形的な面白さを見つけよう!

同じパターンが作り出す造形美がある。これは元町の二十間坂にある「真宗大谷派函館別院」の大屋根。約3万8000枚もの瓦が乗っている見事な屋根だ。この屋根の瓦に光が当たり規則的に整ったバターン美を作り出すのだ
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:PプログラムAE、ISO感度:オート(200)、ズーム:光学10倍、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:縦位置でカメラを構え、カメラを反時計方向にわずかに傾け、あとは完全にカメラ任せで撮影(画像クリックで拡大)

 写真の面白さの中に、造形美というのがある。形そのものが面白かったり、光と影の面白さだったり、撮影するアングルからくる面白さだったり。いろいろなケースがある。

 まず元町の二十間坂を上ると、とてつもなく大きな屋根のある「真宗大谷派函館別院」が見える。その大屋根に圧倒されるが、この屋根の瓦が生み出すパターン美が面白い。また造形美としては、この大屋根からわずかな距離にあるカトリック本町教会の屋根。その屋根には六角形の鐘楼があり、その頂点に真鍮(しんちゅう)製の立派な風見鶏がある。緑青がふいて黄金色の輝きこそないが、渋い色合いを呈しつつ、彫刻美がここにはある。

 さらにカメラによる造形的な面白さの演出もある。特にこのIXY 50Sには、「シーンモード」の一つに「魚眼風」という撮影モードがある。これはカメラ内部でわざと歪みを作り、あたかも魚眼レンズのようなデフォルメ効果を出すもの。決して魚眼レンズのように超広角レンズになるというわけではないが、魚眼レンズで撮影したような中央部が大きく膨張したような独特の絵になる。この効果を利用することで、予想できなかったような不思議な造形の面白さを引き出すこともできるのだ。

元町の大三坂を上ったところに、カトリック本町教会がある。この屋根には、高さ33mの六角形の鐘楼があり、その頂点に立派な風見鶏がある。おそらく真鍮(しんちゅう)で造られたものと思われるが、緑青がふいて色も実に渋い色になっている。この風見鶏の造形的な面白さを10倍ズームで撮影した
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:PプログラムAE、ISO感度:オート(125)、ズーム:光学10倍、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:完全にカメラ任せで撮影(画像クリックで拡大)

函館市内の消火栓は、黄色に塗られている。色といい形といい珍しい感じがするもの。だが、ただそれを撮ってみても面白みが湧かない。そこで「シーンモード」の一つである「魚眼風」を使ってみることにした。このモードの「強」にして歪みを強調するのだが、うまく使わないと面白みが出てこない。いろいろとアングルを探り、ようやく見つけた。まるで人形のようなひょうきんな造形的な面白い姿を撮影できた
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:魚眼風、ISO感度:オート(500)、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:撮影モードを魚眼風に設定。アングルをち密に探り、あとは完全にカメラ任せで撮影(画像クリックで拡大)

 そして最後に訪れた五稜郭跡。五稜郭タワーから俯瞰(ふかん)気味に見ても面白いが、やはり五稜郭跡内の敷地に入って散策すると面白いものが見つかる。ちょうど新しく建てられた箱館奉行所。この建物の風破に面白い造形を見つけた。ある部分がシンメトリーな被写体は、カメラのモニターにグリッドラインを表示してやると位置決めしやすい。グリッドラインとは、縦横の格子線。これをうまく利用して、被写体がきちんとシンメトリーな位置になるような画面配置を心がけるといいだろう。

五稜郭内にある箱館奉行所の建物の風破板が合わさるところ。つまり屋根の内側の交点。そこに彫刻的な装飾が施されている。こういったものには造形的な面白さにその材質による面白さが加わったり、さらに光の演出による面白さが二重三重に加わる場合がある。このときも傾き始めた太陽の光が当たり、装飾が金色に輝き始めたのだ
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:PプログラムAE、ISO感度:オート(125)、ズーム:光学約7倍、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:手持ちでズームを効かせ、被写体にググッと寄って、グリッドラインを参考にしながら丁寧にフレーミング。あとはカメラ任せで撮影(画像クリックで拡大)