設定次第で夜のスナップ撮影がこんなにも楽しく

TVCMなどのロケ地としてもよく使われる八幡坂。昼間のロケーションの良さはもちろんだが、夜のロケーションもすばらしい。旧青函連絡船・摩周丸を中心とした街の明かり、坂の街路灯もいい感じだ。だがもう一つ寂しい。ちょうど一台のクルマが坂を降りて途中で止まった。さらに下側からこの坂を上ってくる1台のクルマ。このチャンスを生かさずにはいられない。こんなタイミングを待つことも大事だ
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:長秒時撮影(シャッタースピード2秒)、ISO感度:オート(125)、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:三脚を使用した以外、すべてカメラ任せで撮影(画像クリックで拡大)

 函館の街は、夜の撮影も楽しい。もちろんその代表は函館山から見下ろした街の夜景。だが、それだけではない。元町の坂でも、また建物でも、路面電車でも、いかようにでも料理できる夜の被写体が多い。ここは高感度でありながら、低ノイズでより鮮明な画像が暗いところでも撮れるIXY 50Sの活躍の場だ。

 そこでここぞとばかりに試してみた。このページの冒頭の作品は、函館港を真正面に見下ろせる八幡坂からのショット。ライトアップされた旧青函連絡船・摩周丸を中心に信号機や街灯などを画面配置。ちょうど下から坂を上るクルマのヘッドライトも加わって、いい感じに撮れた。

 ときにはカメラで遊んでみることも必要だ。この八幡坂でふと“いたずら心”が芽生えた。この夜景撮影の最中に、同じ撮影モードでカメラを揺すって撮るのだ。撮影モードは、シャッタースピードが2秒の「長秒時撮影」。つまりシャッターが2秒間開くので、その間にカメラを大きく揺らすのである。するとクルマのテールランプや街灯、街の明かりなどが動かした軌跡を描く。もちろんこんな撮影はなにも函館まで行ってやる必要はないのだが(笑)、ふとアート感覚がひらめいたら、思う存分やってみればいい。旅の高揚した気分と相まって、思わぬ作品を手にすることができるかもしれない。

これはふとひらめいたことでやってみた撮影。なにも函館でやる必要はないが、夜景の見える坂の上から撮ったことでよりアートっぽい撮影ができたような気がする。種明かしは、IXY 50Sの撮影モードを「長秒時撮影」にして、とりあえずシャッタースピードを2秒に設定。一度カメラをぶれないようにしてシャッターを押し、シャッターが開いている2秒間だけ好き勝手にカメラを動かす。さまざまな色のライトが幾何学的な軌跡を描くのである
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:長秒時撮影(シャッタースピード2秒)、ISO感度:オート(125)、ズーム:光学約3倍、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:すべてカメラ任せで撮影(画像クリックで拡大)

 八幡坂から元町公園まで3~4分歩くと、左側にライトアップされた旧函館区公会堂が見えてきた。これもすかさず撮ろうと思ったのだが、普通に撮っても面白くない。ライトアップされているのでそれなりに美しいが、もっと色がガツンと出るように撮ってみようと思ったのだ。

 そこでカメラの撮影設定を「極彩色」に。そして三脚を使わず、公園のクルマ止めのポールにカメラを載せて撮影した。最初のショットがやや明るめに撮れてしまったため、2度目は露出補正を1/3段アンダー側にして撮った。

コロニアル建築という水平に板を重ねた外壁は、アメリカの開拓時代に広まったもの。あきらかに洋風の建築物。しかもライトアップされていて、まるで浦安にあるテーマパークの建物のようだ。この建物の黄色と水色とが鮮やかに出るように、撮影モードを「極彩色」に設定。そして建物の雰囲気を強めるために露出補正をマイナス1/3とわずかに明るさを抑えて撮影した
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:極彩色、ISO感度:オート(800)、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:露出補正をマイナス1/3にし、手ブレしないよう公園のクルマ止めにカメラを載せて撮影(画像クリックで拡大)

 もう一つ、函館の魅力的な夜の被写体に路面電車がある。ちょうど雨が降って路面が濡れ、そして雨が止んだばかり。こんなときこそ街のライトが路面に写り、素晴らしい自然の演出を加えてくれるもの。そこで肝心のカメラ設定だが、このIXY 50Sに搭載されているシーンモードの「手持ち夜景」を使えば、三脚を使わなくても手ブレをほとんど感じさせない手持ちでの撮影が可能だ。実際に試してみると、函館の街中を走るローカル感が強調され、手持ちで、しかもカメラ任せなのにとてもいい雰囲気の作品に仕上がった。

「手持ち夜景」モードとは、本当に面白い発想をカメラに加えたものである。このモードにしてシャッターを切ると、手持ちであるにもかかわらず、夜景でも手ブレが格段に抑えられた美しい画像が得られるのだ。これは、シャッターを切ると数枚の写真をカメラが連続して撮影し、カメラ内部でそれらを合成して、手ブレやノイズを最大限に抑えた画像に仕上げてくれるというもの。夜の路面電車はばっちりときまった
【撮影データ】
キヤノンIXY 50S、撮影モード:手持ち夜景、ISO感度:オート(1000)、記録画素数:L、圧縮率:ファイン、撮影:撮影モード設定後は、手持ちで、しかもすべてカメラ任せで撮影(画像クリックで拡大)