(文/長谷川 ゆか=ロンドン在住ジャーナリスト)

 世界中からのツーリストで常にごった返すロンドン屈指の目抜き通り、ピカデリーと平行に走る閑静な通り、ジャーミン・ストリート。ピカデリーの喧噪が目と鼻の先に広がるにもかかわらず、この通りに一歩足を踏み入れると、ジャーミン・ストリートが放つ独特のオーラを感じずにはいられない。500mほどの通りには、王室御用達を誇らしげに掲げた高級仕立てシャツの老舗が点在し、スーツや靴、帽子からステッキ、また歴史ある床屋を抱えるグルーミングの店まで、紳士用一流店が軒を連ねるからだ。一着3000ポンド(約39万円)以上もするビスポーク(あつらえ)のテーラーが店を構える“サビル・ロウ”でスーツを仕立て、ジャーミン・ストリートでシャツをあつらえるということは英国紳士の伝統的な身だしなみとされ、それは時代を超えた“ダンディズム”として現在も英国人のステイタスシンボルとなっている。

蝶ネクタイにカンカン帽、ステッキなど、典型的な英国紳士の出で立ちで、ジャーミン・ストリートのイベントを楽しんでいた地元の男性。ダックスの前にて(画像クリックで拡大)