CEDEC 2010 2日目の開幕を告げる基調講演は、小説家瀬名秀明氏による「ゲームの知能と小説の感覚 ヒトの宇宙の究極(?)問題を考えてみる」。小説家というゲーム開発者とは違った立場の瀬名氏から、「重力・重力感」をキーワードに小説家ならではの発想で新しいゲームのアイデアが語られた。

デビュー作『パラサイト・イヴ』がゲーム化されたことで、ゲーム業界にも広くその名が知れ渡った瀬名氏。(画像クリックで拡大)

 まず瀬名氏が提示したのは、すでに存在する重力感の要素が取り入れられたゲーム。ダルマ落としや将棋崩し、テトリスなど、重力で遊んだり挑戦したりといったゲームが数多くあると述べる。重力はとても身近な力で、誰もが親しんでいる力。生き物の予測能力は重力を中心としているものなのだといい、だからこそ重力感を取り入れたゲームは多いという。

 では、物を考えて行動することに重力は関係するのだろうか? ここで瀬名氏は、人工知能の話を取り上げる。人間のような知能を持つことを目指して作られる人工知能ながら、その知能が存在しているのは2次元上であり、3次元に存在する人間の知能とは同じにはならないのではないか。重力の影響を受けたものと受けないもので、思考のあり方も違うのではないかと述べる。

瀬名氏の著作『デカルトの密室』より、作中で登場した人工知能の判別を行う逆チューニングテストを披露。なお、答えは小説を読んでね、とのことで明かされなかった。(画像クリックで拡大)