【必ず役立つ! 豊田直之の撮影“タイガーロール”】

ISO12800で撮影するという未知の世界!

 デジカメは、まるでパソコンのように日進月歩の進化を遂げています。つい2年ぐらいまでは、撮影できる画素数をメーカー同士でしのぎを削るようなふしがみられました。しかし最近は、撮影可能な画素数の増加はあるものの、それ以外の例えばISO感度や高感度で撮影したときのノイズの低減、また長時間露光でのノイズの低減などにしのぎを削っている感があります。また搭載されたフルHDで撮影できる動画機能も、各社間で熱い戦いが繰り広げられている分野と言えるでしょう。

 今回は、どの写真もISO3200以上という、フィルムでは考えられなかったISO感度で撮影しています。それまではどうしてもシャッタースピードが遅くなって、三脚でカメラを固定しないと手ぶれしてしまうことが多かったのですが、高感度にできることで薄暗いところでも手ぶれしないシャッタースピードで撮影でき、シャッターチャンスが無限に広がったような気がします。

でも、豊田さんは撮るより撮られる方が好きだそうで(笑)。このポーズを見れば、そうかもしれませんね(画像クリックで拡大)

 ただ、高感度にすればノイズが増えたり、全体的なざらつきが懸念されます。そこで、今回は最新のキヤノン「EOS-1D Mark IV」で、ISO感度12800という未知の世界でも撮ってみました。この作品がそうなのですが、暗部はすっきりと起きていて、しかも明るいところも白飛びすることなく、バランスよく撮れています。これは、より人間の目で見た世界に近づいていると言えるかもしれません。よほど大きく伸ばさない限り、暗部のノイズ(赤とか黄色の不自然な色の点)はわかりませんし、全体的なバランスはいいように思います。

 これからもきっとカメラは進化していくでしょう。だからといって、常に新しいカメラに買い換えられないジレンマはあります。ただ、間違いなく撮影の多様性はカメラのポテンシャルの向上で急速に伸びてきています。撮る側のイメージをより忠実に再現できること。これはとても素晴らしいことだと思います。みなさんもぜひ、さまざまなイメージの映像化にチャレンジしていってほしいと思います。写真って面白いですよ。(豊田 直之)

瑞泉寺の帰り道。お寺から階段を下ってくると、微妙なS字を描くように道が続いていた。そしてその先は明るく、まるで天国から下界に降りてきたような感覚をおぼえた。だが、これを撮ろうとすると、手前は暗すぎるし、その先は白く飛んでしまいそうなほど明るい。カメラ泣かせの状況。ここでISO12800という未知の感度で撮ってみることにした。手前は適度に起き、奥の明部も飛ばない。そんな絶妙な雰囲気を再現することができたのだ
【撮影データ】
キヤノンEOS-1D Mark IV、レンズ:キヤノンEF24-70mm F2.8L USM 、シャッタースピード:1/250秒、絞り:f7.1、ホワイトバランス:オート、ISO感度:12800
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