今から6年前、鳥肌もののオンラインサービスと出合った。IP電話サービス「Skype(スカイプ)」だ。2004年7月に正式版がリリースされ、爆発的にユーザー数を伸ばした。筆者も、Skypeの魅力にハマった1人である。

 ネットを介した通話サービスはSkype以前にも存在したが、Skypeは既存のサービスをはるかにしのいでいた。特に音質は群を抜いており、ケータイや固定電話とは比べものにならないほど。通話テストに協力してくれた友人と、音質の良さに感動したことを覚えている。

 6年たった今でも“聞き取りやすさ”は、間違いなくトップクラスである。マイクに口を近づけたり、大声で話したりしなくても声が届く。部屋の隅にあるテレビの音声が相手に聞こえてしまうくらい、小さな音までよく拾うのだ。初めてSkypeを使うと、たいていの人が音の良さに驚く。そして、これまで使ってきたケータイや固定電話の音が、いかに粗末なものだったのかを痛感するのだ。

 Skypeが登場した当時、Skypeユーザー同士なら通話料が無料というのも魅力だった。固定電話やケータイには、今のような無料通話サービスがなかったからだ。ケータイにも家族間の通話無料、同じキャリア同士の通話無料といったサービスが登場して、国内通話という点ではSkypeの魅力は少し薄れてしまったが、国際通話に関してはSkypeに勝るものはない。海外留学した息子や娘、単身赴任した父親などとの通話手段として、利用価値は高い。

 とても魅力的なSkypeだが、思いのほか普及していないように感じる。電話をするためにパソコンを起動するなんて面倒……というのが主な理由だろう。読者の中には、以前は使っていた人も多いだろう。かくいう筆者もだんだんと、Skypeを起動する機会が減ってきている。最大の理由はCPUへの負荷。Skypeを常駐させておくと、わずかながらもCPUを占有するし、メモリーも消費する。通話すれば、その割合が一気に増す。普段、モバイルノートで作業しているため、重い常駐ソフトは避けたいというのが、Skypeから遠ざかった一番の理由だ。しかし心の中には、Skypeを使いたいという思いがあり、「何かいい手はないか……」と長年探してきたのだ。

 模索を始めて数年、ようやく解決策を見出した。iPhone用のSkypeアプリを使うという手だ。通話機能のあるiPhoneでわざわざSkypeを使うなんて……と思われるかもしれないが、それは間違い。iPhoneだからこそ、Skypeの使い勝手が抜群にいいのだ。ケータイのように片手で持って話せるし、スピーカーホンにして机の上に置いても使える。音質の良さも健在で、会話がとても聞き取りやすい。何より、パソコンの外にSkypeを出せたことがいい。パソコンに負担をかけずに、晴れてSkypeを使えるようになったのだ。

 iPhone版のSkypeアプリは、5月末のアップデートによって3G回線で通話できるようになり、7月22日にはマルチタスクにも対応した。バッテリーの状況さえ許せば、自宅(Wi-Fi環境)から屋外(3G回線)まで、どこへでもSkypeを持ち出して無料通話できる。こう考えると“iPhone+Skype”でタダ電話が完成したようにも思える。果たして、そんなうまい話があるのかどうか? 早速、検証してみよう。

Skypeアプリでの通話画面。見た目は、普通に電話しているのと何ら変わらない(画像クリックで拡大)

スピーカーホンにすれば、手ぶらで通話できる。机の上に置いて使っても、声が聞きづらいと言われることは少ない(画像クリックで拡大)