さて、問題です。一体、このメールは何と書いてあるか、わかりますか。

 今回は、我々大人たちが、近ごろの若者たちのことを見え難くなってしまった、1つ目の理由を紹介します。その理由とは、若者の人間関係の劇的な変化です。

非喫煙者の同期たちまで喫煙室に集合、の不思議

 みなさんの部署には、新入社員が配属されましたか。2010年度入社の新入社員が、明確な定義はないものの、一応「ゆとり第一世代」だと言われています。先日、ある会社の新入社員数人にインタビューをしました。彼らの話のなかで一番驚いたのは、会社の始業時間が9時半であるにもかかわらず、上司から言われたわけでもないのに、彼ら全員が9時15分に出社しているとのことでした。

 もちろん、長引く不況や閉塞感のせいで、若者たちがクビを切られまいと、少しでも会社にしがみつこうと真面目なそぶりをするようになっていることもあるでしょう。しかし、彼らが始業前に出社する本当の理由は、実はほかにあります。

 「君たちは本当に真面目だね。僕が新入社員のときは、出社時刻ぎりぎりに来てたけどね」と彼らに言ったところ、「同期がそうしているから何となく」との回答が返ってきました。詳しく聞いてみると、ある朝、彼らの同期の一人が、始業前にタバコを1本吸ってから仕事に臨みたいと、9時15分に出社し始めたそうです。

 そして彼は煙草を吸いながら、同期にメールを送りました。「9時15分に出社したんだけど、会社に誰もいないよ~。暇だよ~」と。近ごろの若者は、暇さえあれば、特に目的もなくメールを送り合います。

 すると、彼が始業15分前に会社に来ているという情報がいつの間にか同期の間を巡り、ほかの同期もつられて、「何となく」、9時15分に出社するようになったというのです。しかも、タバコを吸わない人まで、始業時刻前に喫煙室に集まるようになったのです。

 きっと会社の先輩たちは、彼らが早めに出社する姿を見て、「最近の若者は捨てたもんじゃないな」と思うことでしょうし、人事部は「真面目な新入社員を採用できた」と誇りに思うことでしょう。ですが、前述した彼らの「何となく」という言葉が象徴的ですが、彼らは特に明確な目的があって早く出社し始めたわけではないのです。早く仕事に慣れようとしているわけでもありません。

 今の若者の最大の特徴は、同調志向が大変強くなっている点だと思います。彼らはきっと、「あの部署の新人は15分前に出社しているのに、お前は…」と先輩に思われたらどうしよう。同期が集まって色々な会話をするなか、自分だけ知らない情報やうわさ話が増えたらどうしよう。自分だけ同期の輪のなかから外れたらどうしよう――。そんなことをあれこれ考え、何となく空気を読み、早く出社し始めたのです。

 文字通り「同期」していると言えるでしょう。それにしてもなぜ、近ごろの若者たちは、同調志向が高くなり、空気を読むようになったのでしょうか。