松江城・陸に軍艦を見た!

まるで陸上に軍艦が浮かんでいるような印象を受けた松江城。お城としては決して大きいとは言えないが、スキのない、しかも黒を基調としたデザインには威厳すら感じられた。超広角レンズである14mmを使い、陸地に浮かぶ軍艦のイメージで撮ってみた
【撮影データ】
キヤノンEOS 5D markII、レンズ:キヤノンEF14mm F2.8L USM、シャッタースピード:1/1000秒、絞り:f8、ホワイトバランス:オート、ISO感度:400
(画像クリックで拡大)

城の脇には立派な楠の木があった。樹齢300年以上である(画像クリックで拡大)

 松江城の入り口まで観光船で渡った造景と僕。そこで、1日早く帰るプロデューサーSを近くの駅までクルマで送って到着したjinkeディレクターと合流した。松江城は決して豪華絢爛というようなイメージはなく、小振りながらも威厳のある、まさに陸の軍艦のイメージを持つ城と感じた。

 城の中に入ると、まずとてつもなく大きな井戸が建物の中に掘られていた。これは前述したが、敵が攻めて来た場合に、いざとなれば周囲の橋を壊し、大勢で攻め込まれるのを防ぐ。城にこもって敵を討つとすれば、当然長期戦となる。食料は備蓄しておけばなんとかなるが、最も貴重な水を確保することは必須であったのだろう。さすが水の町松江となれば、城の建物の中に大きな井戸が掘られ、長期戦にも万全の備えを見た。

 桐で作られた急階段や寄木柱なども往時の姿を残している。刀や兜(かぶと)などの展示を見ながら、最上階の望楼に登ってみる。ばぁっと開けた視界には、宍道湖が見え、街中を複雑に走る水路が見える。

なんか見ているだけでしびれてしまいそうな重厚感と威厳がこの城にはある(画像クリックで拡大)

天守閣の望楼から見ると、目の前にばぁっと宍道湖が飛び込んでくる(画像クリックで拡大)

 出雲の築地松の話といい、宍道湖のシジミ漁といい、松江の水路の街といい、島根の人々が水と戦い、水と暮らしてきたことがわかる。水は生きるために貴重な存在であるが、ひとたび大雨が降れば川は氾濫して田畑をつぶし、人家も押し流す凶暴さも秘めている。街に水路があれば、至る所に橋をかけねばならず、ときには船での移動も余儀なくされる。しかし、その不便さが松江城の立地条件と同じように自分たちの暮らしを守ってくれることもある。水が持つポジティブさとネガティブさの両面性。島根の人々は、その水の二面性を熟知した人々といえるのかもしれない。

 水が暴れて被害を出さない限りは、実にのんびりとした風土であり、実際に住んでみたいと思ってしまう土地柄。この土地柄が島根の素朴な人柄を作り出すのかもしれない。

城の瓦には鬼瓦といわれる鬼の顔が彫刻された瓦が施されていた。それぞれ表情が違って面白い。造景の話では、風水で鬼門と呼ばれる北東向きと裏鬼門と呼ばれる南西の向きに鬼瓦があるのではないかということだった。望遠で寄れる限界で撮ってみた
【撮影データ】
キヤノンEOS 5D markII、レンズ:キヤノンEF70-200mm F2.8L USM IS、シャッタースピード:1/2000秒、絞り:f6.3、ホワイトバランス:オート、ISO感度:800、エクステンダーEF X1.4使用
(画像クリックで拡大)