幸運に導かれ? 偶然出くわした貴重な祭り

たまたま入った路地。すると、その先には交通整理が出ていた。祭りか? 造景と僕は、また刑事ドラマの刑事のように勢いよくクルマから飛び出し、その先を追った。その先では、何やら行列が進んでいた。なにやらわからないまま撮影。望遠ズームを装着し、背景をぼかしながら撮ってみた
【撮影データ】
キヤノンEOS 5D markII、レンズ:キヤノンEF70-200mm F2.8L USM IS、シャッタースピード:1/1000秒、絞り:f6.3、ホワイトバランス:オート、ISO感度:640
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 「豊田さん、松江で見ておきたい場所、ほかにどこかあります?」

 jinkeディレクターはそうクルマの中で聞いてきた。

 「まぁ松江城は後で行くからいいとして、一つ気になっているのが月照寺に、大きな亀の石碑があるらしいんだ。泊まったビジネスホテルのエレベーターの中に貼ってあったポスターに載ってたんだけど、なんかデカイのと、ちょっと不気味な感じがあるのが気になっているんだよね」と僕。

 「なんか僕もその亀の石碑が気になっていたんですよね」と造景。

 「地図見ると、この辺を左折するんじゃないかな?」
 「曲がったはいいけど、なんか渋滞してますよ」
 「でも、祭り囃子みたいなの聞こえない?」
 「あっほんとだ」
 「よしっ、見に行ってみよう!」

 造景と僕は、クルマが動かなくなったことをいいことに、刑事ドラマの刑事のように勢いよくクルマのドアをばたんと閉めて、祭り囃子に向かって走り出していた。

謎の行列の先頭は、このきらびやかな衣装をまとった人たちだった(画像クリックで拡大)

 走っていった先には、なにやら派手な衣装をまとった人たちの行列が! そう、祭りだったのだ。後で知ったことなのだが、この日は隣同士にある月照寺と阿羅波比神社の共同祭り。日本広しといえども、お寺と神社が仲良くお祭りする姿はあまり見たことがない。しかも、この月照寺、島根の松平藩の藩主が代々奉られている由緒正しきお寺だった。

 お寺の関係者の方の話では、このお祭りは隣の阿羅波比神社と合同でこの日に行われるだけで、知らなければ全く見ることのない貴重なお祭りだとか。「よくぞ見に来られた」と褒められたのだが、実は知らずにたまたま通りすがっただけだと話すと、これまた驚かれた。

松江が松平藩で徳川家と縁が深いという印象がなく、ここが有名なお寺であることも知らなかった(画像クリックで拡大)

なにかご利益のありそうな紙吹雪。僕は早速それを浴びてきた(画像クリックで拡大)

 「きっとあなたたちはここに呼ばれたんですよ」

 なんかうれしいようで、若干不気味なような、不思議な気持ちだった。

この亀の石碑に呼ばれたのだろうか? 全く予期せぬ貴重なお祭りも見られたし、松平藩藩主代々が奉られているお寺だと知って、驚かされることの連続であった。小泉八雲の「知られぬ日本の面影」という作品の中には、この亀が夜な夜な街で暴れたという伝説も書き残されているという。この亀の石碑を、不気味さをかもしだすために露出をアンダー目にして撮ってみた
【撮影データ】
キヤノンEOS 5D markII、レンズ:キヤノンEF16-35mm F2.8L USM、シャッタースピード:1/1600秒、絞り:f4.5、ホワイトバランス:オート、ISO感度:1600
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