『リアルでゴメン…』は、関西のインディーズシーンで注目を集めている女性シンガーソングライター、近藤夏子さんのメジャーデビューシングルです。

 この曲は、細かく分析していくと、ところどころにプログレっぽい隠し味が入っているのが面白いね。普通のJ-POPの典型的なビートパターンとは違って、ちょっと複雑なビートが使われてるんだけど、その難しさをまったく感じさせずに、余裕で元気いっぱいに演奏してるところがかっこいいじゃん。

 曲全体の解釈もエキサイティングで、ライブで汗をかきながら歌っているようなイメージがガンガン伝わってきます。彼女は、実際のライブではピアノを打楽器みたいに激しく弾きながら歌うそうだけど、そんな姿が自然に目に浮かんできそうだね。

近藤夏子
『リアルでゴメン…』
関西発シンガーソングライターのデビュー曲。「声と演奏のマッチングがドンピシャ。独特な声だから、テンション高めのアレンジでぴったりじゃん」。
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 『never cry』は、これまた新人アーティストで、19歳の女性シンガーソングライター、舞花さんのデビューシングルです。

 パッと聴いた印象は、「阿部真央ちゃん+バター味」かな。僕は真央ちゃんの『いつの日も』も大好きだけど、あっちは醤油味っていうか、100パーセント和風テイストじゃん。この『never cry』は、全体の音色に、ちょっとだけ洋楽っぽい味付けが入っています。特に、サビの後半の「Yeah! Yeah!」っていう部分は、アヴリル・ラヴィーンの曲に出てきそうなコード進行をうまく使ってるね。

 彼女のボーカルの特徴は、声の範囲がすごく広いってこと。メインは低音域だけど、高音に行けば行くほど独特の味が出てきます。デビュー曲とは思えないくらいパワフルで、いきなり大物シンガーの貫録を感じました。

舞花
『never cry』
熊本県出身シンガーソングライターのデビュー曲。「構成は教科書どおりだけど、そのぶん声に集中して聴ける。一番の魅力は、ちょっと海外アーティストを意識しているような彼女の“キャラ”だね」。
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著者

マーティ・フリードマン

 90年代、ヘビーメタルバンド、メガデスのメンバーとなりアルバムセールスを1300万枚超えの世界的なスーパーバンドへと導いたギタリスト。その後、J-POPに興味を持ち、メガデスを脱退。活動の拠点を東京に移し、ミュージシャンやプロデューサーとして活動している。11年9月には好評のJ-POPカバーアルバム第2弾『TOKYO JUKEBOX2』を発売した。発売中のSMAPの最新アルバム『GIFT of SMAP』(ビクター)では、木村拓哉のソロ曲『La+LOVE&PEACE』の作・編曲とギター演奏を担当するなど、他のアーティストへの楽曲提供、アレンジ参加など多数。日本の音楽や日本語の魅力について、外国人やミュージシャンならではの視点で様々なメディアにおいて語っている。「日経エンタテインメント!」の連載「J-POPメタル斬り」も大好評。公式ページはこちら